「ボーイング787」に発煙や出火のトラブルが相次ぎ運航停止となった問題で、バッテリーのリチウムイオン電池を製造したジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)が苦境に立たされている。日米両空港でのトラブルから早い段階で国土交通省などが立ち入り検査に入ったが、バッテリー周辺の不具合が原因なのかは不明で、緊迫した状況が続く。部品供給側の日系企業が、海外の巨大な航空機会社に部品を納入することのリスクが浮き彫りになった形で、製造業関係者は緊張の面持ちで推移を見守っている。厳しい環境 集中砲火に同情も 「勝手なイメージかもしれないが、GSユアサが“犯人”だと決まったわけでもないのに、集中砲火を浴びているような気がしてならない」。ある製造業幹部は、そう打ち明ける。 GSユアサは電気システム開発の仏タレス社と契約を結びバッテリーを同社へ納入し、タレス社が制御システムを組み込んだ完成品をボーイング社に納