このところの世界的な景気減速で、企業向けITビジネスの今後はどうなるのか。先週、大手ITベンダーが発表した直近の四半期決算での通期見通しをもとに探ってみた。 下期はどうなる? 企業向けITビジネス 「9月に入って金融不安がより深刻化し、欧米を中心として景気の後退色が急速に強まってきた。国内においても企業収益の悪化や個人消費の低迷など、先行き不透明感が高まっている」 富士通の加藤和彦 経営執行役上席常務CFO(最高財務責任者)は、10月29日に開いた2008年度中間決算会見でこう前置きしたうえで、7月に公表した同年度の連結業績予想の下方修正を明らかにした。 修正後の予想は、売上高が5兆500億円(7月時は5兆3500億円、前年度実績は5兆3308億円)、営業利益が1500億円(同2200億円、同2049億円)。7月時では増収増益の予想だったが、今回の下方修正で減収減益を見込まざるをえなくなっ