買い物難民や限界ニュータウンなどが、社会問題、経済問題として取り上げられるようになってきた。そんな中で、筆者も、そうした地域に住む知人たちから、相談を持ち掛けられることが増えている。今回は、50歳代で生活を縮める「縮活」によって、郊外住宅地からの脱出に成功したある夫妻の事例から考えてみたい。 不動産業者が郊外住宅を勧めない理由 ある関西の不動産業者は、「原則として、大都市中心部から鉄道で30分以上かかり、さらにその駅からバスで20分以上乗らなければならないところは、限界ニュータウン化する可能性が高い。私は、よほどの理由がない限り、自分のお客にこれからそういう場所の住宅の購入は勧めない」と言う。 この不動産業者は、「将来の資産価値を考えると、マンションは駅近のみ。戸建てならば、駅から徒歩15分、タクシーを使えばワンメーターくらいで行ける範囲にした方が良いとお客には話している」と指摘する。 も