日本は実は洋食が美味しくない国ではないかとずっと疑っていた。ミシュラン東京版によって、幾つもの星付きフレンチやイタリアンが東京に誕生し、東京も世界に冠たる食の都と認められた気分になっていたが、こと洋食についてのレベルは本場に遠く及ばない気がしている。絶対的な意味で言えば、スペインはサン・セバスティアンの三ツ星、マルティン・ベラサテギに行った時、その繊細かつ重厚な味に驚き、日本の洋食三ツ星とレベルが余りに違うと感じたことがある。相対的な観点では、例えば食べて飲んで1万円以下という、普段使いのカテゴリーにおいて、和食や中華の同価格帯でコスパに優れる店と同じレベルの感動は、なかなかフレンチやイタリアンでは得られない。 勿論、和食の三ツ星にも疑問を呈さざるを得ない店があるし、そもそも僕は欧州三ツ星食べ歩きなんぞをする旅行は好みではなくて、どちらかと言うと、「パスタを不味く作る民族トップ10リスト」