【関西の議論】 人慣れし過ぎて野生の本能を失ったチーターの人工授精に、和歌山県白浜町のテーマパーク「アンドベンチャーワールド」が神戸大の協力を得て取り組んでいる。成功すれば肉食の野生動物では国内初となる。野生動物の種の保存に向けた人工授精は近年、関西の研究施設を中心に実験や研究が活発化。絶滅危惧種の保存に加え、動物間に多い近親交配をなくすことや、ペンギンなど「同性愛」の多い種の繁殖にも応用できるとして注目されている。 人工授精では最近、姫路セントラルパーク(兵庫県姫路市)と神戸大大学院の楠比呂志准教授(保全繁殖学)の研究チームが、ヤギの一種で絶滅危惧種に指定されている「マーコール」の妊娠に成功し、注目を集めた。アドベンチャーワールドのチーターの人工授精も、同じ楠准教授のチームが協力して進めている。 このチーター(メス、6歳)は生まれながらにして体が弱く、母乳を飲もうとせず、次第に体温