TPP交渉は最終盤まで難航した(写真は会見で進捗を説明する日本の甘利TPP担当相) Kevin Fogarty-REUTERS 面倒な交渉の末にようやく妥結したTPPですが、この問題に関しては日本もアメリカも「政治のねじれ」を経験しています。日本の場合は、そもそもTPP交渉へ向けて積極的に踏み込んだのは民主党の野田政権で、当時野党だった自民党は安倍晋三首相も含めて、主として農村票を意識して消極的でした。 ですが、現在は安倍政権として積極的に交渉を進めて合意に至った一方で、民主党の方は「慎重審議を」という姿勢になっています。こうなると立場の「ねじれ」というより、政権政党になると中道現実主義、下野すると左右の極端という間を「ウロウロ」せざるを得ない「日本型民主主義」の、「ブレ」と「戻り」の力学が見えます。 この点で比較すると、アメリカの場合はもっと大変です。 TPPを推進しているのはオバマ政権