安倍晋三首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が23日、論点整理を公表した。天皇陛下の退位に関して、一代限りで認める案と将来の天皇にも適用する案について利点と課題を併記したが、一代限りの特別立法で対応する政府方針に沿った内容になった。今後の議論をどう進めるべきか。 「象徴天皇」含め国会で議論を 加藤陽子・東京大大学院教授 今回の論点整理は、一般的な有識者会議と比べると慎重な表現が多用され、今後の検討の方向についても国会や世論の動向を参考にすると明記されている。だが、まやかしに見える。最初から有識者会議は政府の意向に沿って、今の天皇に限った退位が望ましいと考えているように見えたからだ。