過敏性腸症候群(略号はIBS)という病気がある。悪いものを食べたわけでもなく、ストレスもない。それなのにお腹の調子が良くない。社会生活に支障をきたすほどお腹に振り回される。日本人の有病率は約13%、罹患者数は1200万人と言われている。また、1990年頃から日本で急増している慢性炎症性腸疾患(略号はIBD:安倍元首相が罹患していた潰瘍性大腸炎とクローン病の2疾患)では、炎症が改善してもIBS症状を生じることがあり、IBSの治療が必要となる。 安倍元首相が苦しんでいたことでわかるように、原因不明で非常に治りにくい病気なのだが、どうも善玉菌と言われている乳酸菌やビフィズス菌がIBSを発生させているらしいのだ。腸内細菌の最新の知見を紹介する。 日本人のお腹のビフィズス菌はスペイン人の10倍! 最初に断っておくが、乳酸菌やビフィズス菌がすべて悪いといっているわけではない。過剰な摂取が問題で、日本人