経済同友会は、小林喜光代表幹事(三菱ケミカルホールディングス会長)が就任2年目に入った。「旧(ふる)き衣を脱ぎ捨て、全く新たなる天地を開拓しなければならない」と、焦土に結集した若手経営者が同友会を創立して今年で70年。グローバル化やIT化のうねりは、日本に再び「旧き衣」を脱ぎ捨て未来への針路を切り拓(ひら)くことを迫る。小林氏は今、何を見据えているのか。 ―代表幹事就任から1年。見える景色に変化はありますか。 「視座が明らかに変わった。これまでは企業価値の最大化を追求してきたが目下の関心事は『国家の価値』とは何か―。1年あまり模索してきた結果、達した結論は、国家の価値は三つの軸((1)GDPに象徴される経済成長(2)技術革新(3)持続可能性)で捉えることができ、それぞれが織りなすベクトルの絶対値こそが『国家価値』、あるいは『国の品格』と定義したい。その最大化を目指す社会を主導する決意だ」
![三菱紳士らしからぬ経済同友会トップが考える「国家の価値」 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/df3f92d4cd6733624e9f3ed37d8fb97c0ecc9e44/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages.newswitch.jp%2Fimages%2FphpsG0cuX_572e483ee4ffa.jpg)