私は決して三大治療を否定しているのではない。医学的なエビデンスと診療データに基づいて定められた療法であり、適合症例も圧倒的に多いものと思う。 ただ、その他の治療法を頭から排除してしまうことが正しいのか。自分自身のがんは三大治療に適合しているのか。三大治療で本当に納得感が得られるのか。そうした判断を、自分自身の頭で行いたいと思うのだ。 実際にがんにかかってみて、自ら治療法を“選択”するためには、自分自身の人生観がよほどしっかりしていないと難しいということが分かった。 さらには、自分が人生に何を求めているのか、人生の理想形はなにか、などといった哲学的な問いに対しても答えられなければ、選択一つまともにできないことにも気づいた。 正解はないのだ。医師ですら正解は誰も知らない。究極的に言えば、選択の明確な基準は、自分の考え方、生き方、人生観しかないのが、がん治療というものなのである。 人生観を突きつ