この連載の重要なテーマは日本の自動車産業のゆくえである。クルマが売れる、売れないの話は、日本経済がもっと強くなるためにはどうしたらいいのかという視点で書いているつもりだ。当然それは企業だけが儲かればいいという話ではなく、国民全体が豊かで幸せになることへとつながっている。 もちろん読者の個人個人に同じ視点の持ち方を強要するつもりはないから、そこは自由に読んでいただいて構わない。ただ新車の売れ行きの話をすると非常に多く目にするコメントがあり、ちょっと気になっているのだ。 低所得時代のクルマ選び 「新車なんて買えない。中古車で十分だ」 それは、日々生きていく中で、高いリアリティを持つ言葉だと思う。正直な話、筆者も個人的に同感なのだ。中古車で十分。というより、それがベターな選択肢だと思う。何よりもない袖は振れない。選択肢がないのだから仕方がない。 会社員として生きていくとしたら、毎年のベースアップ