がん治療の新薬開発をうたい、無登録で自社の未公開株を販売したとして、医療ベンチャーの社長が逮捕された。会社側は株主に、「社長の逮捕は(薬の開発を阻む)『黒い方』と闘って言い過ぎたから」などと説明。一方で、購入者から相談を受けた弁護士らは「がん患者や高齢者の不安につけ込み、ネットワークビジネス(マルチ商法)を展開していた」と指摘している。実態はどうだったのか。 警視庁は3月8日、「ウィンメディックス」(東京都千代田区)社長の白木茂容疑者(45)ら2人を、金融商品取引法違反の疑いで逮捕した。ウィン社は2017年以降、全国の約1万5000人から計約80億円を集めたとみられる。2人は容疑を否認したが、東京地検に起訴された。