2010年5月10日 ほんとうに帰ってくる... はやぶさカプセル 山田 哲哉 カプセルの再突入というのは、いつも最後にやってくる。だれも打ち上げの最初に再突入させたりはしない。カプセル屋としては、そういうものがあっていいと思うのだが、打ち上げの時に再突入するのはだいたい失敗であるし、そうかといって千年先まで再突入して来ないカプセルもうまくない。いずれも経験してきた。それが、今回はもうすぐ本当に「はやぶさカプセル」が帰ってくる。ああ、ついにこの瞬間が来るのだ。 中学生の時のクラス対抗リレー。バトンを渡された。アンカーに引継ぐ係だ。夢中で走った。競っていたと思う。自分は速いつもりだった。でも、コケた。あろうことか、本番で。 去年の11月のことだ。 「ダメだ。どうも命もここまでだ。ワリぃな。ワルかった。カプセルまで届きそうもない。」 いつも偉そうなK先生に謝られちゃうと、事実の認識ができずに頭