「私のサラリーマン人生、こんなもんだったのかな…」 38年間勤め上げた63歳の男性は、入社当時の写真を見つめて、複雑な思いをつぶやきました。定年後は、趣味を満喫し“悠々自適”に暮らす――。しかし思い描いていた生活と違い、現実は、お金も心も余裕がありません。その理由は「退職金」でした。 「定年退職したら、“中流”の暮らしが維持できなくなるかもしれない」 不安の声が広がっています。 大手電機メーカーを3年前に定年退職した、成田勝さん(63歳・仮名)です。いまは、フリーランスの企業コンサルタントとして働いていて、年収は180万円ほどです。 定年後は、趣味の写真や旅行を楽しみたいと考えていたという成田さん。しかし現実は、目の前の生活で精一杯だといいます。