Beck 『Morning Phase』 サシャをして「一生に一度出会うかどうか」の作品と言わめた。メロウで優美。アーティストとしてのベックのコアにあるものが、あくまでもシンプルに紡ぎだされた胸に迫る名盤 「47分間、ベックと彼の共演者たちは、決して解けることのない慈悲深い魔法をかけつづけてくれる。本作は、ギミックも減らず口もなく、ただ力強く、直截に、完璧な優美さをもって語りかけてくれる」とサシャは続ける。 ベック自身は、本作のレコーディングについて「プロデューサーもいない。ぼくとバンドだけのまったく孤独な作業だった」と語る。が、作業自体は、まったく苦労しなかったという。「求める音をつくりあげるために四苦八苦する必要はなかった。ぼくとバンドメンバーたちのなかにあるものをただ出すだけでよかった」。サシャは、本作をして25年のキャリアのひとつの頂点とみなす。 「長い孤独な夜を抜けて朝を迎えた、
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