「勝てるとは思ってもいなかったので。大変うれしいです」 対局を振り返る感想戦を終え、向井千瑛(ちあき)前女流本因坊が退室した後、ようやく笑みを浮かべた。7日の囲碁の第33期女流本因坊戦五番勝負を制し、16歳1カ月の史上最年少で女流本因坊のタイトルを奪取した。 囲碁を始めたのは6歳。兄が囲碁を打つ姿を見て、「楽しそう」と思ったのがきっかけ。めきめきと力をつけて11歳6カ月でプロ入りした。 祖父はタイトル獲得23期の藤沢秀行名誉棋聖。10歳のときに亡くなったため、教えを請う時間は長くなかったが、師匠として尊敬する。「私にとってはすごい存在。タイトルを取る前も今も全く変わりません」 今春中学を卒業した後は進学せず、棋譜並べや詰め碁など多い日で10時間、勉強する。