今から約2年前の2018年9月、ドイツのベルリンで2年おきに開催される国際鉄道見本市「イノトランス」の会場に、真新しい2階建ての客車が展示された。真っ赤な車体に、ドイツ鉄道のロゴ。ドイツ南部の主要都市、ミュンヘンとニュルンベルクの間を結ぶ快速列車、「ミュンヘン・ニュルンベルク・エクスプレス」用に、ドイツ鉄道が発注した新型客車と機関車である。 ミュンヘン・ニュルンベルク・エクスプレスは、両都市間を最高速度200キロで結ぶ特別料金不要のローカル列車として、2006年12月のダイヤ改正から運行を開始。車両は、元インターシティ(特急)用だった客車を格下げして使用している。 この列車に使用される客車は、古いもので1960~70年代製造と、すでに40~50年以上経過して老朽化が目立っていたことから、新型車両への置き換えが急務となっていた。ドイツ鉄道が、代替用新型車両の発注先として最終的に選んだのは、チ