米連邦準備制度理事会(FRB)が、金融引き締めの方向にまた一歩踏み込んだ。米利上げが近づけばドルの価値が高まり、新興国通貨の下落圧力は増す。米利上げに誘発される自国通貨安とインフレの進行に新興国はおびえている。(バンコク 山村英隆) ◆市場を注視 16日のアジアの外国為替市場。タイ・バーツは1ドル=33バーツ台半ばで取引され、前日から大きな変動はなかった。バンコクに駐在する三井住友銀行アジア・大洋州トレジャリー部の宮野素子氏は、「今回の連邦公開市場委員会(FOMC)の決定はすでに市場で織り込まれていた。しばらくは緩やかなバーツ安ドル高傾向が続くだろう」と話した。