本文でエタノールの代謝については書きました。そこに登場した、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素はエタノールだけではなくメタノールや他のアルコールにも作用して、脱水素による酸化を行います。 メタノールを飲んだ場合はどうなるのでしょう?「続・身のまわりの毒」Anthony T.Tu 著、東京化学同人、1993年刊から引用しますと まず、酔います。 12〜24時間の潜伏期間をおいて 中枢神経が冒され、頭痛、めまい、不安感、激昂などを呈します。 それを越すと、嗜眠、意識混濁、昏睡、けいれん、急性呼吸不全などを起こし そしてひどい場合、死に至ります。 死に至らない場合でもよく失明します。 生化学的症状としてはアシドーシス(血液が酸性になる症状)をよく起こします。 アルコール脱水素酵素も、アルデヒド脱水素酵素も、エタノールに対してよりもメタノールに対してのほうが反応はずっと遅いのです。ですから