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ブックマーク / kaoriha.org (12)

  • 中里一日記: 陸戦を演出する4つの法則

    陸戦を演出する4つの法則 昔、アニメの宇宙空間は紺色だった。しかも爆発音が鳴り響いた。 もちろん、アニメだけではなく、まんがも同様だった。たとえば『ワイルド7』の「ガラスの城」では、オートバイのサイドカーに積んだ超小型の多連装ロケットランチャーで、武装した客船と砲戦を演じていた。 今日では、そこまで物理法則に反した描写はほとんど見られない。が、物理法則レベルで止まっていて、登場人物の行動のほうは変わっていない。まんが家やアニメ監督が、重火器や宇宙空間を体験するようになったとは思えないので、文化的な問題だろう。ほんの少しのことだけで、ぐっとそれらしくなるのに、その「ほんの少し」を知っている人があまりいないのだと思う。 というわけで、「陸戦を演出する4つの法則」である。 1. 背を低くする 突っ立っていては射撃の的になるし、流れ弾に当たる確率も高まる。立つよりは伏せ、伏せるよりは穴などに潜る。

  • 中里一日記: 大日本帝国はいかにしてブラック国家となったか

    大日帝国はいかにしてブラック国家となったか タイトルは釣りです。 山中恒『ボクラ少国民』『御民ワレ』を読んだ。戦前の国民学校で行われた「皇国民の錬成」の有様が、著者の体験を交えつつ、これでもかこれでもかとばかりに執拗に記されている。 『御民ワレ』が出たのは1975年、敗戦から30年後だ。今は2013年、『御民ワレ』が出てから40年近く過ぎている。『ボクラ少国民』『御民ワレ』は一種の歴史書だが、今となっては、それ自体が歴史の一次史料として読める。 現在の目で読んで、私の頭に浮かんだことーー「ブラック国家」。 「これまでくり返し述べてきた〈皇国民ノ錬成〉という概念規定が、どうもよくわからないのである。〈皇国ノ道ヲ顕現〉する臣民が〈皇国民〉であり、〈皇国ノ道〉とは、『教育勅語』に示された〈斯ノ道〉のことであり、それが〈皇国ノ道〉であると、逆戻りして来て、エンドレスの迷路にはいりこんでしまうので

    emiladamas
    emiladamas 2013/09/12
    "ブラック国家の誕生を防ぎたければ、総動員をかける手段を国家から奪うべきだ。すなわち、信仰・無知・恐怖という3つの手段に国家が近づかないよう、監視しなければならない"
  • 中里一日記: 醜さについて

    醜さについて 8月15日近辺になると、よくTVのニュースなどで「戦争を語り継ぐ」などという話が出てくるが、「戦災を語り継ぐ」の間違いではないかと思う。 山中恒『撃チテシ止マム』411~412ページより。 「通風塔」に寄せられる投書は、その後、戦局の推移と共に激越さを増し、更にファナティックな様相を帯び始める。婦人の化粧は一切禁止せよだの、老人の隠居を許すな、買出し夫人は愧死すべきである、などと言い出す。そして遂には「米はコメ、日の国は瑞穂国の米どころで混同のおそれあり」として、区別するために、アメリカの「米」には〈けものへん〉をつけて「■」という新字、「英も英霊の英、東条英機首相の英」にまぎらわしいから、これにも〈けものへん〉をつけて「■」とし、「■■撃滅」とせよなどと、大まじめに言い出す。 また、『戦争に徹しよう』の投書者に見られるような、やたらに他人を大喝叱正したがる「張切り者」が出

    emiladamas
    emiladamas 2013/09/12
    ”もし、「こんなことには戦争体験として伝えるほどの価値がない」と感じられるのなら、こうした醜さが再び世界を覆いつつあるということだ”
  • 中里一日記: ジョージ・L・モッセ『英霊―創られた世界大戦の記憶』(柏書房)

    ジョージ・L・モッセ『英霊―創られた世界大戦の記憶』(柏書房) 全人類に読ませたい。ジョージ・L・モッセ『英霊―創られた世界大戦の記憶』(柏書房)161~166ページ。 第一次大戦が終結して間もない時期、戦争体験の神話は闘争というものに、国民的・個人的再生の手段という新たな側面をもたらした。戦争の態度を平時に継続させることで、必然的に政治の野蛮化が促進された。人命に対する無関心が高じたのである。それは単に、ドイツのような確実に無慈悲さが蔓延した国民国家において、軍事的なものが目に付きやすく、高い地位に留まっていただけではない。政治の野蛮化とは、とりわけ戦争とその受容に由来する心性を意味する。戦間期に野蛮化の過程が進行した結果、人は活力を得て、政敵への対抗行動に駆られ、人間の残虐性や死に対する一般人の感覚は麻痺していった。 イギリスやフランスのような戦勝国では戦争から平和へと比較的容易に移行

  • 中里一日記: 白善燁『若き将軍の朝鮮戦争』(草思社)

    白善燁『若き将軍の朝鮮戦争』(草思社) 白善燁『若き将軍の朝鮮戦争』(草思社)を読んだ。 長大な経歴を持つ著者が書いた長大な回顧録であり、あらすじもそれなりに長大なものになり、書くのが面倒なのでAmazonなどに任せる。 歴史の資料という観点から、気になったところを書いてゆく。 ・「昭和一四年、戦前日の最盛期をこの目で見たことになろうか」(17ページ) 日の現代史の感覚でいうと、1939年はすでに国際関係が相当まずくなっていて、景気がよかったのは軍需のせい、という時代だが、著者はそれを「最盛期」と書いているのが興味深い。 ・日清戦争において、葉志超の軍は成歓・牙山で敗北したあと、ほぼ全力が歩いて平壌に再集結した。これは清国兵が日で言われたほどの弱兵ではなかったことを示す。(29ページ) 朝鮮戦争初期に敗軍を率いて落ち延びた著者の見解と思うと、味わい深い。 ・「日の「なんでも法治主義

  • 中里一日記: 公営ギャンブルは持続可能か

    公営ギャンブルは持続可能か 私の実家の近くには競輪場がある。控えめに言っても小汚い、有り体に言えば大汚い老人が電車に乗ってきて、競輪場の最寄り駅で降りる光景をよく見かけた。私の子供時代にはまだ競輪場は人の集まるところで、「こんなにカモを集めたらさぞ儲かるだろうな。いつか競輪を開催して儲けたい」と子供心に思っていた。 子供心に――まったく子供らしい話だ。現在の競輪はといえば、マイナス成長を続けて20年、開催自治体の多くを赤字で苦しめている。この世に永遠のものはない。幼い私にはそんな簡単なこともわからなかった。 幼い私には難しすぎた事実は、ほかにもいくつかある。 ひとつは、あの大汚い老人たちは、カモであると同時に恐ろしく賢い、ということだ。 金を損しに集まる人々が恐ろしく賢い、などということがどうしてありうるのか。「賢い」を「高性能」と言い換えれば、わかりやすいかもしれない。あの大汚い老人たち

    emiladamas
    emiladamas 2012/06/02
    ではその老人たちは、かつて競輪を始めたときには、高性能な競輪予想マシーンを相手に怯むことなく蛮勇を奮い起こして競輪場に飛び込んだのかといえば、おそらくそうではない
  • 中里一日記: 堀江由衣にはちんこが生えている

    堀江由衣にはちんこが生えている http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20050829#1125327476 http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20050829#1125332167 いい機会なので一言しておきたい。 私の知るすべての声オタは、「堀江由衣にはちんこが生えている」との共通見解を抱いている。私は声オタではないが、同じ見解を抱いている。 これはもちろん、解剖学的な事実をいうものではないし、トランスセクシュアルだというのでもない。演技の発想、キャラクターの解釈が、「ちんこが生えている」という隠喩がぴったりくる、という意味だ。 たとえば、To Heartのマルチをショタくさく演じるという発想。あれは私にとってはコペルニクス的転回だった。ロボットだから中性的に演じる、という手は常にある。セリオが無性的なのに対してマルチは両性的、という手

  • 参考指定物件 NOIR

    emiladamas
    emiladamas 2011/11/22
    百合的に言っても第一話から十話までも見逃せないだろ常識的に考えて。とこの文章を初見時にも思ったな。
  • 百合物件リスト

     百合物件リスト 香織派が把握している百合物件は多数ありますが、特に重要なものを集め、重要さの程度に応じて3つのリストにまとめました。 学習指定物件リスト 入手のために努力するだけの値打ちのある、純正な百合物件を挙げています。 参考指定物件リスト New! ポルノであっても百合的に価値の高いもの 入手性が悪い 純正な百合物件ではない 等の問題がある作品を挙げています。 参考指定物件リスト補遺 New! 惜しくも指定物件には漏れたものの、2002年10月現在において注目すべき作品を紹介しています。 要注意物件リスト 現在連載中・放映中の百合物件、あるいは百合物件となる可能性のある物件を挙げています。 [メニューに戻る]

    emiladamas
    emiladamas 2011/11/22
    私はマリみて知ったのは02年か03年のコミケでこのリストを見てだったな。当時、リスト一覧の中で見てるのがNOIRだけなのに愕然としたような。
  • 中里一日記: 記憶

    記憶 全人類に読ませたいので、とりあえずここに書く。R・デーケン『フロイト先生のウソ』(文春文庫)197-198ページより。 最初の調査は、一九八六年のスペースシャトル・チャレンジャー爆発事故の翌日におこなわれた。約一〇〇名の被験者に、事故のニュースをどんな状況で聞いたかを書面で答えてもらった。回答は、七項目の質問(「そのとき、どこにいましたか」、「誰といましたか」、「そのニュースを何で知りましたか」など)に答える形でおこなわれた。数年後、コンタクトが取れた被験者(約半数)に再度同じ質問リストに答えてもらった。最初の調査のときと答えがい違う項目があった人には、暗示や誘導尋問や助言によって正しい記憶を呼び覚まそうとした。 その結果は、映画「トータル・リコール」(アーノルド・シュワルツェネッガー扮する主人公が、架空の冒険の記憶を植え付けられる)を彷彿とさせるものだった。まず、回答者の四分の三

    emiladamas
    emiladamas 2009/04/14
    なるほど、人間の記憶なんてあやふやなんだなとは思うが、“回答者の四分の三が、同じ質問に答えたことがあるのをすっかり忘れていた。”そんなにあやふやなものなのか。
  • 中里一日記: 1492:43

    1492:43 暴力について。ジョージ・オーウェル『気の向くままに』(彩流社 7andy)262ページより。 「私は人々の頭上に爆弾を落とすことよりも、彼らを「フン族」呼ばわりすることの方がより大きな害をもたらすように思う。もし避けることができるならば、誰だって人を殺傷したくないことは明らかだが、単に人を殺すことだけが最大の重大事だとは私には感じられない。われわれはみんな百年以上は生きないのだし、また、たいていは「自然死」と呼ばれる、みじめでぞっとする形で死ぬ。最も悪いことは、平和な生活を不可能にするような行動をとることである。戦争が文明の骨組みを破壊するのは、それがもたらす物理的破壊によってではなく(戦争の結果は、最終的には世界全体の生産能力を増大することにさえなるかもしれない)、また人間の殺戮によってでさえもなく、憎しみと不誠実をはびこらせることになるからである。あなたの敵に銃弾を撃ち

    emiladamas
    emiladamas 2009/03/14
    "戦争が文明の骨組みを破壊するのは、(…)憎しみと不誠実をはびこらせ(…)敵を憎み、その敵についての嘘を作り出し、その嘘を信じるように子供たちを育てることによって、もっともひどい害を加えるのだ。”
  • 中里一日記: なのフェイはセックスレスのほうが萌えるのではないか?

    なのフェイはセックスレスのほうが萌えるのではないか? 『なのはStSにおけるなのフェイは、セックスレスのほうが萌えるのではないか?』との議案が私の脳内会議に提出され、審議された。 審議の結果:否決 議案の論旨は以下のとおり。 1. なのフェイには擬似親子関係的なニュアンスがある 2. 性行為の侵襲性は、擬似親子関係にはそぐわない 3. 作中には、なのフェイの性行為は、キスさえ出てこない まず、論旨2については満場一致での合意をみた。 性行為の侵襲性を演出するには、当事者間に十全な批判的判断力が備わっていなければならない。もし判断力に欠けるところがあれば、性行為の侵襲性への認識も不完全なものになり、読者の側にすっきりしない感情を残すことになる。もしこの方法を徹底するなら、ブレヒトの『異化』のような啓発的な意義を持つだろうが、これは萌えとは言いがたい。 かくして論旨1が争点となった。 フェイト

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