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ブックマーク / horikawad.hatenadiary.com (9)

  • 21世紀は昆虫食の世紀になるかもしれない - クマムシ博士のむしブロ

    2013年5月13日、国連糧農業機関(FAO)は人類に昆虫をすことを促す内容を記したレポートを発表した。 虫は未来の糧源、国連FAOが報告書: AFPBB News 昆虫は栄養価が高い上に飼育による増殖効率がよく、料として非常に高いポテンシャルを備えている。そこで、積極的に昆虫をべよう、というわけだ。 「昆虫をべる」というと、昔は貧困層が主菜の代替品として仕方なくべる、というイメージがあった。漫画「はだしのゲン」にも、戦時中の糧難のために、主人公一家がイナゴを捕まえてべるシーンがある。戦後になると、やがて糧難は解消され、わざわざイナゴを捕まえてべなければ生きられないような国民も、ほぼ皆無になった。 そして飽の時代になると、再び昆虫をべ始める層が日国内に出現した。彼らは当然、料に困っているわけではない。この世に無数ある材の一つとして、昆虫に舌鼓を打っているの

  • NASA発表の「エウロパに間欠泉の存在」の意味を考える - クマムシ博士のむしブロ

    Credit: NASA Goddard 現地時間の2016年9月26日にNASAで会見が開かれ、「木星衛星エウロパから吹き出す水と思われる物質を観測した」と発表した。 NASA’s Hubble Spots Possible Water Plumes Erupting on Jupiter's Moon Europa これは先日、小野雅裕さんや藤島皓介さん、そしてここで予想した内容とほぼ一致。今回の予想は優しかった。ただ、私が希望的観測で予想していたエウロパ全域での間欠泉の存在や、有機物の検出については、今回の発表に含まれていなかった。 horikawad.hatenadiary.com エウロパの地表は厚い氷で覆われており、その下には内部海があると信じられていた。液体の水があれば、生命体が潜んでいても不思議ではない。NASAはエウロパの探査計画に力を入れている。 さらに、もしエウロパに

    NASA発表の「エウロパに間欠泉の存在」の意味を考える - クマムシ博士のむしブロ
  • クレーマーとまとめサイトにより社会が毀損される - クマムシ博士のむしブロ

    東北大の教授のtwitterでの発言が炎上騒ぎになっている。 東北大、教員のTwitterでの「不適切発言」を謝罪 この教授が野球観戦をしながら、自分が応援するチームの敵とその地元を咎める発言をしたことが問題になっているようだ。発言直後から、この教授のtwitterアカウントには非難が殺到して炎上した。そして、まとめサイトにあげられてさらに延焼。この過程で東北大に苦情のメールや電話が多く寄せられたのだろう。昨日になって東北大が公式に謝罪を表明、新聞記事になるまでに至った。 東北大学教員によるツイッターにおける不適切発言について(お詫び) 私は、野球観戦でつぶやいていた独り言が、このような社会的制裁を受けるだけの妥当性は全くないと思う。確かに、この教授の発言内容は、敵対する野球チームのファンや、そのチームの地元にとって不愉快なものだろう。だから、その教授に対して直接抗議をするのは理解できる。

    クレーマーとまとめサイトにより社会が毀損される - クマムシ博士のむしブロ
  • 遺伝子改変で鼻センされた蚊 - クマムシ博士のむしブロ

    吸血するネッタイシマカ image from Wikimedia commons 日はこれから夏にかけて虫が元気いっぱいにあふれる季節である。虫好きにはたまらない季節が来るわけだが、虫好き人間でも嫌な虫はいる。蚊はそんな虫の代表だろう。 蚊の中には黄熱、デング熱などのウィルス、そしてマラリア原虫を媒介する、「かゆいかゆい」だけでは済まない非常に困った輩もいる。ネッタイシマカAedes aegyptiもそんな輩の一員だ。ほとんどの蚊は温血動物であれば誰かまわず吸血するのだが、このネッタイシマカはヒトを優先的に見分けて吸血する。浮気しない一途な性格なのだ。いや、むしろ厄介な粘着ストーカーだ。 そんな厄介なストーカーに対して、素晴らしい対抗策がある。虫よけスプレーだ。虫よけスプレーにはディートという化学物質が含まれるが、これを蚊は嫌うのだ。この写真にあるように、その効果は一目瞭然だ。 蚊やその

    遺伝子改変で鼻センされた蚊 - クマムシ博士のむしブロ
    emiladamas
    emiladamas 2013/07/06
    ”蚊はにおいが分からなくても、ディートに実際に接触すると逃げるのだ。蚊のディート嫌いには嗅覚以外の触覚などの感覚も関わっていることが示唆された”
  • クマムシの育て方 (助手ガール編) - クマムシ博士のむしブロ

    以前、このブログでクマムシの採集方法について書いた。今回は「クマムシを飼ってみたい」というマニアックな読者向けに、クマムシの飼育方法を伝授したい。 1000種類以上が知られているクマムシの中で、飼育できる種類はほんのわずかである。クマムシの生態を調査する研究者が少ないため、ほとんどの種類でその性が判明していないからだ。ここでは、私が札幌市の橋の上に生えるコケの中から採集し、飼育系を確立したヨコヅナクマムシの飼育方法について紹介しよう。 ヨコヅナクマムシ (撮影: 堀川大樹) ヨコヅナクマムシの飼育にあたって用意する道具は、以下の通り。 1. ペトリディッシュ 2. ミネラルウォーター(ボルビック) 3. 寒天 4. パスツールピペット 5. 実体顕微鏡 6. クロレラ(生クロレラV12) 7. ビーカー まず、ヨコヅナクマムシの家となる寒天培地を作る。今回もクマムシ助手にデモンストレーシ

    クマムシの育て方 (助手ガール編) - クマムシ博士のむしブロ
  • 放射能をもつ細菌を投与した「体内被曝療法」で膵臓がんを治す - クマムシ博士のむしブロ

    がんの撲滅は人類が直面しているあまりに大きすぎる課題だ。現代の日では、がんは死因のトップとなっている。 数あるがんの種類の中でも、とりわけ膵臓がんはやっかいである。膵臓がんは全種類のがんの中で死亡原因が第4位となっている。膵臓がんは転移しやすく、従来の化学療法や放射線療法もあまり効き目がない。 膵臓がんにかかった患者が5年後に生存している確率はたったの4%にすぎない。ゲムシタビンやエルロチニブといった治療薬もあるが、これらを投与しても末期の膵臓がん患者の生存は最大で6ヶ月までしか伸ばすことができない。 今回、アメリカのアルバートアインシュタイン医科大学の研究グループは、膵臓がんに治療の画期的な方法を提唱した。それは、体内被曝療法である。放射性物質を搭載した細菌を体内に投与し、細菌が発する放射線でがん細胞を殺すというやり方だ。爆弾を搭載した戦闘機を標的に体当たりさせる攻撃方法とも似ている。

    放射能をもつ細菌を投与した「体内被曝療法」で膵臓がんを治す - クマムシ博士のむしブロ
  • ダイヤモンドで精子は元気になる - クマムシ博士のむしブロ

    精子の荒ぶる運動性無くして、人類や動物の繁栄はありえない。そんな精子を元気にする方法が、最新の研究成果により提唱された。 Sperm Performance Better on Diamond than on Polystyrene: MSR Proceedings 精子を体外で活き活きと保つことは、とりわけ体外受精を実行する上で大事なことである。 だが、ここで問題がある。精子は体の中では活発に動き回るが、体外では元気をなくしてしまい、あまり長くは生きられないのだ。ペトリディッシュの中で受精させようとしても、あまり上手くいかない。精子のパフォーマンスが落ちるのは、研究者にとっては困りものだ。研究者が男性の場合、萎えていく精子を見ていたら何故か自信も無くなってしまうだろう。 では、どうするか。まず研究者らは、精子のパフォーマンス低下は、ポリスチレン製ペトリディッシュの表面が湿ることで生じる粘

    ダイヤモンドで精子は元気になる - クマムシ博士のむしブロ
  • 進化したサイボーグみたいな細菌 - クマムシ博士のむしブロ

    ドイツの研究チームが、DNAの一部を人工物で置き換えた細菌を実験室内で作ることに成功したことを発表しました。 Chemical Evolution of a Bacterium’s Genome DNAは、細菌でも植物でも動物でもその構造は同じで、糖、リン酸、塩基からできています。塩基にはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類があり、アデニン(A)とチミン(T)、グアニン(G)とシトシン(C)がDNAの鎖と鎖の間で対になり、二鎖構造を形成しています (下図)。 DNAを構成するこのような物質の組み合わせは、普遍的なものなのだろうか?もし、これらの物質を物理化学的に似た性質をもつ他の物質に置き換えても、生物は生きていけるのだろうか? このような疑問は、生命の成り立ちの謎を解く鍵に関わります。また、合成生物学という比較的新しい学問分野において、大きな命題にもなっ

    進化したサイボーグみたいな細菌 - クマムシ博士のむしブロ
  • タイムトラベラーと肉体関係を持つのは危険 - クマムシ博士のむしブロ

    進化は、オスとメスの間に不思議な関係を作り出してきました。オスとメスの交尾にまつわる利害の対立も、そんな関係のひとつです。 ・男と女のラブゲーム 例えば、ハエの場合。 ハエは乱交型の生き物です。ハエの花子ちゃんがハエの太郎君と交尾をした後、花子ちゃんは別のオスバエの一郎君を受け入れてしまいます。 でも、太郎君にとってみれば、花子ちゃんには確実に自分の子供を産んでもらいたい。その方が自分の遺伝子コピーを持つ個体を増やせる(進化学では"適応度が上がる"という)からです。 そんな願いを叶えるべく、太郎君や他のオスバエの精液には特殊能力が仕込まれています。彼らの精液には、他のオスバエの精子を弱らせる作用があります。 上の場合だと、太郎君が花子ちゃんの体内に放出した精液によって、後から一郎君が放出した精子が弱るため受精できなくなります。これで、太郎君は花子ちゃんに確実に自分の子供を産んでもらうことが

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