ダニエル・カーネマン(2002年 ノーベル経済学賞受賞)が提唱したピーク・エンドの法則というものがある(「ピーク“と”エンド」が重要と言っており、「終わりよければ全てよし」とは少し違う)。Wikipediaから引用するとこういう意味だ。 われわれは自分自身の過去の経験を、ほとんど完全にそのピーク(絶頂)時にどうだったか(嬉しかったか悲しかったか)ならびにそれがどう終わったかだけで判定する、という法則である。 カーネマンが「ピーク・エンドの法則」を証明するために行った実験は以下のようなものだ。 A.冷たい水( 14℃)に60秒間手を浸す。 B.冷たい水( 14℃)に90秒間手を浸す。ただし、最後の30秒間は徐々に水温が上昇する。 被験者にもう一度実験するとしたらどちらが良いかと聞くと、Aを選ぶのが自然に思える(体験している「苦痛の総量」はAの方がはるかに小さい)。しかし、被験者の大半はBを選