日本漁業の歴史の中で獲れなくなった魚の代表例として思い浮かぶのがニシンだ。ニシン漁は江戸期から戦後にかけて北海道を中心に一大産業となり、多くのニシン長者を産んだ。身は昆布巻きや燻製として、卵は数の子として広く親しまれてきた。しかし、現在の漁獲量は往時の1%にも満たず、輸入品が台頭している。 ニシンが枯渇した背景には、質より量を追い求める漁の形態や、資源の回復力を過信して規制を設けずに漁を続けたことがある。資源減少が近年話題となっているクロマグロなどと通じる問題がある。 北海道沖の日本海に浮かぶ焼尻島。クルマで走れば一周20分程度の小島では、漁業が約200人の住民の重要な生活の糧となっている。漁港を見下ろす高台に、古びた木造建築の家が残る。黒檀や檜をふんだんに使い、蔵も備えた延べ床面積569平方メートルの広大なつくり。建造当時は瀟洒な豪邸だっただろうその建物は、北海道の長者番付十傑にも入った
7月22日にスマホ向けゲームアプリ「ポケモンGO」が配信されて、世の中の風景は一変した。 と、書くとやや大仰なようではあるが、駅で「歩きスマホ」の危険を訴える放送が流れたり、出現の珍しいポケモンが捕獲できるという噂の広まった公園にユーザーが大挙して押し寄せたりと、7月22日以前には見られなかった光景が見られるようになったのは確かだ。 これが一過性の過熱なのか、時代が一変した瞬間なのかはにわかに断じることはできないが、一種の「社会現象」と言っていい規模であることは間違いないだろう。ゲームの動向には関心がなかった企業やビジネスパーソンも無縁ではいられなくなるかもしれない。本稿では、「ポケモンGO」がもたらすであろう様々な経済効果――ポケモノミクスをどう読み解けばいいのか、ゲームをプレーせずとも「これだけは知っておきたい」そのポイントを3つお届けしたい。 ポイント1:ポケモンGOは「動かすもの」
山本:ユーザーさんに楽しんでいただくために全体の収益性を確保しなければならない。そのためには高額課金者が必要で、そういう人たちに納得してもらえるようなゲームシステムを作らないといけない。ソーシャルゲームって、そういう事業構造じゃないですか。 その中でユーザーさんは、より強い武器やアイテム、キャラクターが欲しいと願い、1回、300円のガチャを回す。このくらい引いたら出るだろうと期待して、頑張って引く。出ませんでした。じゃあ、出るまで頑張ろうとなる。少ない金額でそのアイテムが当たるかもしれないという期待を抱かせる。これが、射幸性なんです。 「確率表示なくして射幸性は制限できない」 山本:300円という小口で取れる可能性があると思うからお金を突っ込む人が出るんですけれど、今これが問題になっていて、まず大前提として、その確率は明示されるべきだと思うんです。まずは出現確率の表示をしなければ射幸性は制
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