ロシア情報通信当局は、同国で「自由な報道のとりで」と評される独立系新聞ノーバヤ・ガゼータのメディア登録を取り消すよう裁判所に提訴した。インタファクス通信が28日伝えた。プーチン政権を批判し、ウクライナ侵攻に異議を唱えてきた同紙の活動を完全に封じる狙いだ。 当局が登録取り消しを求めているのは紙媒体とウェブ版の双方で、ロシア通信によると法律で定められた文書の提出を期限内にしなかったことが理由。9月15日に登録取り消しを巡る審理がある。昨年、ノーベル平和賞を受賞したムラトフ編集長は「われわれは裁判で勝利するための論拠を持っている」と語った。 ノーバヤ紙はソ連崩壊後の民主化の中で誕生、ロシア軍による民間人殺害や政治家の汚職などを暴いてきた。ムラトフ氏は昨年末、ノーベル平和賞の受賞に際して「民主主義への信頼が失われれば独裁が待つ。その先にあるのは戦争だ」と述べ、ウクライナ侵攻を予測した。