大阪府立高校の世界史教諭、西本武史さん(34)が長時間労働で適応障害を発症したとして、学校を運営する大阪府に慰謝料など約230万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は28日、適切な勤務管理を怠った結果、適応障害を発症したことを認め、府に請求通り全額の支払いを命じた。西本さんは発症前に業務量の改善を何度も訴えており、横田典子裁判長は当時の校長の対応について「抜本的な負担軽減策を取らなかった」と批判した。 公立学校の現役教諭が実名を公表して自治体を訴えるのは極めて異例。
「表現の不自由展かんさい」の開催が予定されていたエル・おおさか=大阪市中央区で2021年6月25日、藤井達也撮影 大阪市で7月に開催される予定だった企画展「表現の不自由展かんさい」について、会場となる大阪府立施設の指定管理者が使用許可を25日付で取り消したことが判明した。開催が明らかになった6月中旬以降、施設への抗議活動が相次ぎ、利用者の安全が保証できないと判断したという。府は指定管理者から事前に相談を受け、許可取り消しを容認した。 「表現の不自由展かんさい」は7月16~18日、大阪市中央区の大阪府立労働センター(エル・おおさか)で開催される予定だった。愛知県で2019年にあった国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で開かれた企画展「表現の不自由展・その後」の作品の一部を展示する予定で、有志による実行委員会が準備を進めていた。
憲法改正の国民投票について定めた国民投票法の改正案が6月11日、参院本会議で可決、成立した。2016年に公職選挙法が、商業施設などに共通投票所を設置したり、洋上投票を拡大するなどの改正が行われ、国民投票法もそれに合わせるため提案された改正案だったが、最も議論になったのは、有権者に賛否を呼び掛ける国民投票運動におけるCM規制など広告の問題だった。 広告放送(CM)について国民投票法は投票日の15日前までと定めているが、資金力のある政党や団体がたくさん広告を出せるのは自明である。さらに、憲法改正に賛成、反対の勧誘ではなく「意見表明」のCMは規制対象ではない。例えば、スポーツ選手や芸能人などの著名人が「私は賛成です」と意見を言うCMは投票当日まで放送できる。 投票運動にCMやチラシの量的規制なしに実施された大規模な住民投票が、2015年5月17日と2020年11月1日の2度にわたって行われた大阪
大阪市を四つの自治体に分割した場合、標準的な行政サービスを実施するために毎年必要なコスト「基準財政需要額」の合計が、現在よりも約218億円増えることが市財政局の試算で明らかになった。人口を4等分した条件での試算だが、結果が表面化するのは初めて。一方、市を4特別区に再編する「大阪都構想」での収入合計は市単体と変わらず、行政コストが同様に増えれば特別区の収支悪化が予想される。特別区の財政は11月1日投開票の住民投票でも大きな争点で、判断材料になりそうだ。 スケールメリット失う 国の地方交付税制度は、自治体が一定水準の行政サービスを維持できるよう、基準財政需要額から基準財政収入額(地方税収を4分の3にするなどして算定)を引いて不足分を国が補う仕組みだ。税収の多い東京都は交付税をもらわずに財政運営できるが、大阪市のように交付税に頼る自治体は「交付団体」と呼ばれる。 基準財政需要額は、「社会福祉費」
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