埼玉県所沢市で、学校にエアコンを設置すべきかを問う住民投票が行われた。エアコンで住民投票なんていくらなんでもそれはないだろうと思ったが、近年、なんでもかんでも住民投票にかけようという風潮には、違和感を感じる。人類は長い歴史の中で、民主主義的システムを繰り返し試行してきたが、直接民主主義の典型である住民投票は「衆愚政治に陥りやすい」というのが、人類が幾多の失敗の中で獲得してきた知恵だからだ。一方、今月22日には、日本最西端の領土である与那国島で陸上自衛隊「沿岸監視隊」配備の賛否を問う住民投票が行われる。部隊を置くのは、中国の軍事的脅威が史上かつてないほど高まっていて、そこから日本を守るためだ。しかし、この住民投票の投票資格は、中学生、永住外国人にも与えられているという。そこに、非常に胡散臭いものを感じる。ここでは参考までに、そもそも住民投票とはいかなるものであるかを考察した『明日への選択』の