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ブックマーク / agora-web.jp (12)

  • 今年の良書ベスト10

    アゴラの書評欄では今年120冊以上、私の個人ブログでは約90冊の書評したが、そのうち今年の新刊で私の書評したのベスト10ランキングは、次の通り。それぞれのについてのコメントは、リンク先の記事を見ていただきたい。 篠田英朗『集団的自衛権の思想史』 國重惇史『住友銀行秘史』 デヴィッド・グレーバー『負債論』 墓田桂『難民問題』 Erixon & Weigel “The Innovation Illusion” 阿川尚之『憲法改正とは何か』 John B. Judis “The Populist Explosion” 岡隆司『中国の論理』 アルビン・E・ロス『Who Gets What』 春名幹男『仮面の日米同盟』 今年の圧倒的ベストワンは1である。世界情勢に目を閉ざして支離滅裂な憲法解釈を振り回す憲法学者と、それに便乗して騒ぐ野党とマスコミは、池内恵氏も指摘するように「戦後日思想史

    今年の良書ベスト10
  • 「徴兵制は嫌だ!」という皆さんへ

    辻元議員が国会で徴兵制について質問したのに続き、民主党からは「徴兵制復活」を危惧する声が上がっている。 徴兵制に強く反対する人たちが、どうしてもやりたくない仕事、子供や家族に絶対にさせたくない仕事自衛隊はやっている(仕事というのは基的に「自分がやらないこと・不得意なことをその道のプロにやってもらって対価を払っている」もの。だから職業に貴賤があってはならない)。徴兵制が嫌ならなおのこと、自衛隊の任務や名誉の問題に対する理解を持ってもらいたい。 よく知られているように、先進国は徴兵制を止める流れであり、何も憲法解釈を持ち出すまでもなく、経費の面、兵士の教育の面から見ても徴兵制導入は現実的ではない。元自衛官の佐藤正久議員が「専門性の高くなった今の軍隊で、一般市民を徴兵しても役に立たない」と書いた記事が話題になっているが、以前、自衛官からもこんな話を聞いたことがある。 「現在は志願制で、色々な

    「徴兵制は嫌だ!」という皆さんへ
  • 「言論統制」は日本中でいつも行なわれている

    これが今週の週刊新潮と文春の中吊り広告だ。「うぬぼれ自民党」やら「自民党は死んだ」などの派手な見出しはあっても、騒ぎの発端になった百田尚樹氏の名前はどこにもない。彼は新潮社からも文藝春秋からもを出しているミリオンセラー作家だからである。昨今は『殉愛』をめぐるスキャンダルで社会的評価は地に落ちたが、「売れる作家」であることは間違いない。 日の「言論統制」は、こういう目に見えない形で、日常的に行なわれている。特に週刊誌が作家のスキャンダルを書かないタブーは徹底していて、編集者と飲むとよく出てくるのは五木寛之氏の「金沢で雪を見よう」という有名なナンパ癖だが、彼の女性問題が記事になったことはない。 週刊誌の自主規制ぐらいは大した問題ではないが、重大なのは電波利権のタブーだ。私の友人も「通信と放送の融合」の話をしただけで、民放のバラエティのレギュラーを降ろされた。もう一つ大きいのは、原発のタブー

    「言論統制」は日本中でいつも行なわれている
  • 世界の学界も「性奴隷」を否定した

    世界の歴史学者の「日歴史家を支持する声明」という安倍首相に対する公開書簡への賛同者が457人に増えた、と各メディアが報じているが、これは朝日新聞の誤報から始まった「性奴隷」説を否定するものだ。全文(日語版)を引用しておこう。 下記に署名した日研究者は、日の多くの勇気ある歴史家が、アジアでの第二次世界大戦に対する正確で公正な歴史を求めていることに対し、心からの賛意を表明するものであります。私たちの多くにとって、日は研究の対象であるのみならず、第二の故郷でもあります。この声明は、日と東アジアの歴史をいかに研究し、いかに記憶していくべきなのかについて、われわれが共有する関心から発せられたものです。 また、この声明は戦後七〇年という重要な記念の年にあたり、日とその隣国のあいだに七〇年間守られてきた平和を祝うためのものでもあります。戦後日が守ってきた民主主義、自衛隊への文民統制、警

    世界の学界も「性奴隷」を否定した
  • 70年後に日本はどうなるの?

    今年は戦後70年ということで、今から8月15日の首相談話の話題で持ち切りです。おじさんたちには昔話がおもしろいのかもしれませんが、よい子のみなさんには関係ないですね。それよりみなさんが大人になる50年後や70年後に、日はどうなるんでしょうか? この図は、鈴木亘さん(学習院大学)が、今の社会保障システムが変わらないと、みなさんの負担がどうなるかをシミュレーションしたものです。国民所得(正味の実質GDP)は、2075年までの60年ぐらいの長期を考えると、ほぼゼロ成長になるだろうというのが、多くの経済予測です。 その最大の原因は、働く人が毎年1%ずつへってゆくからです。他の条件がすべて同じだとすると、労働人口が1%減ったら成長率は-1%になりますが、この分を労働生産性の向上などで埋めたとしても、現役世代のお金を使う消費者がへるので、経済全体としてはゼロ成長がいいところでしょう。 このうち社会保

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  • 【更新】ベーシック・インカム

    今週のアゴラこども版で「現役世代の可処分所得はこれから絶対的に減る」と書いたら大きな反響があり、「どうすればいいんですか」という質問がたくさん来た。答は明らかで、現在の年金制度を書の説明するベーシック・インカム(BI)のような年齢に依存しない所得再分配システムに転換するしかない。 BIの発想は単純で、所得にかかわらずすべての人に一律に税金を還付するもので、財務省の提案している「給付つき税額控除」と似ている。これは今の社会保障に上乗せするものだが、50年前にフリードマンの提唱した負の所得税は、現在の社会保障をやめて税制だけで所得再分配するものだ。 BIは負の所得税と発想は違うが、実質的には同じだ。その実装の方式はいろいろあるが、たとえばすべての人に80万円を一律に支給し、所得税20%を徴収すると、年収500万円なら手取りは80万円+(500万円×0.8)=480万円となる。 豊かな人にもB

    【更新】ベーシック・インカム
  • マクドナルドのハンバーガーは危ないの?

    マクドナルドが史上最大の赤字決算になりました。この一つの原因は、去年から次々に報道された「異物混入騒動」ですが、マクドナルドのハンバーガーにはそんなにたくさん異物が入ってるんでしょうか? 今のところ他のハンバーガーショップに比べてマクドナルドの商品に多くの異物が入っているという統計データはありません。ハンバーガーは店の中でつくっているので、ビニールや金属が混じったものがたまにあるでしょうが、よい子のみなさんがそれをべることはまず考えられません。 ではなぜマスコミはマクドナルドだけに大騒ぎするんでしょうか? それはおもしろいからです。町のパン屋さんのパンに異物が入っていてもニュースにはなりませんが、マクドナルドは有名なので、ニュースになります。マクドナルドは1日に500万個ぐらい売れるので、100万個のうち1個に異物があっても、1日に5個は見つかります。 しかしよい子のみなさんがハンバ

    マクドナルドのハンバーガーは危ないの?
  • 資本主義の原罪 - 『コロンブスからカストロまで』

    マルクスは18世紀の農業革命や囲い込みを「源的蓄積」と呼び、農民を土地から切り離して身体以外に売るもののないプロレタリアートにしたことが「資主義の原罪」だったと述べたが、これは今の歴史学では疑問とされている。それに代わって注目を浴びているのが、新大陸のプランテーションである。 著者エリック・ウィリアムズ(トリニダード・トバゴの初代首相)は1944年に「西インド諸島の奴隷経済がイギリス産業革命の原因であって、その逆ではない」という「ウィリアムズ・テーゼ」を提唱して大論争を呼び起こした。彼によれば、16世紀以降、ヨーロッパ人はアフリカから1200万人の奴隷をカリブ海に連れてきて、砂糖のプランテーションを行なった。その利益はきわめて巨額で、これが資源的蓄積になったのだという。 特にイギリス人は新大陸から一次産品を輸入してアフリカに売り、北米に奴隷を輸出する三角貿易で大きな利益を上げた。

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  • 経済成長に役立つ農業予算投入を

    政府が行おうとしている緊急経済対策では即効性のある公共事業が積み上げられるそうだ。私は、潜在成長率を高める努力なしに、目先の金融を緩和したり財政出動をしたりしても、いっときの需要を押し上げるだけで、デフレを脱却することはできない、後には更に積み上がった国債債務残高が残るだけ、という意見に賛成である。いやしくも建設国債を財源とする以上、そのときかぎりの需要拡大だけでなく、後々まで投資効果のあがる、つまり成長戦略に役立つ中味にしてほしいものだ。 農業への予算投入はどのような役に立つのか その点で以前から気になっているのが、農業関係、とくに公共事業だ。自民党は総選挙前に公表した政権公約で、 政権交代後大幅に削減された農林水産予算を復活させます。(規模拡大のための取り組み、農業農村基盤整備事業、農業用施設機械整備、森林整備、漁港・水産関連施設整備予算など)(自民党政権公約「自民党政策バンク」農林水

    経済成長に役立つ農業予算投入を
  • 薬のネット販売が再禁止されるらしい 〜自由と責任について〜 : アゴラ - ライブドアブログ

    薬のネット販売が再禁止されるらしい 〜自由と責任について〜 1月11日、医薬品のネット販売を省令で規制した事は違法だとしてケンコーコム等の販売会社が訴えていた裁判が最高裁で原告の完全勝訴に終わり、ネット販売は改めて解禁される事になった。しかし、これがすぐにでも再禁止されそうだ。 元々の発端は2009年に改正薬事法が施行された際に法律にはなかった対面販売のルールが省令によって導入され、ネット販売が原則として禁止された事にある。当時、内閣府に設置された規制改革会議がそれに噛み付いた。その中にはネット証券の先駆けとして知られる松井証券の松井社長も居た。 「公務員になりたいという証券マンのユウウツ 〜対面型証券に存在価値はあるのか〜」で松井社長をとりあげたが、自分は松井社長の著書を何冊も読んで興味を持っていた。薬の販売規制にはピンとこなかったものの、松井社長が出るのならと公開で行われた規制改革会

  • 朝日新聞の誤解しているアベノミクス

    原発についての朝日新聞の記事はでたらめだが、経済記事もひどい。特にけさの1面に出ている「デフレ脱却、成長目指す〈アベノミクスってなに?〉」は、頭の悪い大学生が書いたような記事だ。 値段が下がれば、メーカーや販売店の売り上げや利益が減って業績が悪くなる。給料を減らされたり、リストラされたりして家庭も買い物を控えるようになり、さらにモノが売れなくなる。この悪循環がデフレスパイラルだ。 まず「値段が下がれば業績が悪くなる」のか。これは一つ一つの商品の値段(相対価格)と物価水準を混同しているが、デフレとは物価水準が下がることだ。商品の価格が1%下がっても、物価が1%下がれば、実質的な価値は変わらない。消費者にとっても、同じ給料で買えるものは増え、ユニクロのように安くなったものはたくさん売れる。デフレは消費者にとってはいいことなのだ。 次によくあるのが「デフレスパイラル」だ。前述のようにデフレで「業

    朝日新聞の誤解しているアベノミクス
  • 慰安婦問題の後始末の異様さ 女性の苦しみをネタにする国は韓国以外に見当たらない : アゴラ - ライブドアブログ

    蒸し返され続ける問題 韓国との「いわゆる」慰安婦問題を、新しい視点から考える材料を提供したい。戦争における女性への性暴力は、残念ながら普遍的に起こる問題だ。その後始末を各国で比較すると、韓国の反応は異常なのだ。 慰安婦問題については、多くの識者によって問題が指摘されている。(参考・池田信夫氏「慰安婦について調査委員会を設置せよ」私はこの主張に全面同意する。) 戦時下に売春婦はいた。しかし日政府、軍官が関与して朝鮮の女性を拉致して強制的にその立場にしたことはなかった。これは朝日新聞の捏造報道が端緒になり、日をおとしめようとする日人が話を大きくした問題である。嘘に基づき、日政府が新たな補償をすべきではない。日政府の事なかれ主義、外交の失敗が話を大きくした。毅然として事実に基づき主張をするべきだ。 これ以上加えることはない。ただ当時の社会状況の中で、不幸な女性がいたことは気の毒に

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