茨城県取手市の国道交差点で08年4月、横断中の自転車を避けようとしたトラック運転手が道路脇の建物に激突して死亡した事故で、自転車を運転していて重過失致死罪に問われた無職秋田正夫被告(96)の判決が3日、水戸地裁土浦支部であった。伊藤茂夫裁判官は「赤信号を見落として横断し、事故を引き起こしたのは重大な過失」として、禁固1年4カ月執行猶予3年(求刑同2年6カ月)を言い渡した。 弁護側は、秋田被告が当時、青だった別の歩行者用信号を見間違えた可能性があることや、速度超過をした被害者側にも過失があることを訴え、過失致死罪の適用を求めていた。伊藤裁判官は「信号に従って通行するのは自転車運転者の義務であり、わずかな注意を払いさえすれば見誤ることはありえない」として弁護側の主張を退けた。