【関根慎一】朝鮮王朝の外交官で朝鮮通信使の先駆けとなった「李芸」の足跡を追った日韓合作のドキュメンタリー映画が、6月から全国で封切られる。制作側には交流の歴史をたどり日韓関係改善の手がかりにしたいとの意図があったが、李明博(イミョンバク)前大統領の竹島上陸などで制作が一時中断。曲折を経てようやく公開にこぎつけた。 李芸は600年ほど前に日本と朝鮮を四十数回行き来した朝鮮王朝の外交官。幼少時、日本の海賊、倭寇(わこう)に母親を拉致され、外交官となった後は室町幕府との往来を通じ日本と交流し、朝鮮通信使の礎となった。 映画プロデューサーの益田祐美子さんが、従軍慰安婦問題などで日韓の摩擦が続く中で「両国の今後に明るい光を投げ掛けたい」と李芸に注目し制作に着手。昨夏に韓国政府に招かれた日本の学生ら21人が李芸の足跡をたどり、韓国の学生らと交流する様子を撮影。韓国の俳優ユン・テヨンさんを日本に招き