取材を通じて得たオフレコ情報は、原則として書けません。取材相手が、本当は書いてもらってもいいんだけど、自分の口からは「いいよ」とは言えないという場合に「あうん」の呼吸で書くことや、これこれの条件を守るとの約束に基づき、情報源を秘匿した形で言葉を引用することは珍しくありません。でも、取材対象に「書かないでくれ」と言われたことについて記事にするのは信義にもとります。また、場合によっては進行中の政策や外交交渉を壊してしまう恐れもあります。従って、私も本当は書きたいのに書けずにいたことがいくつかありましたが、今朝の産経に載った「記者が語る安倍政権(下)」で、その一つについてあえて触れました。今さらの話ではありますが、やはり大事な、譲れない点だと思ったからです。 それは、今年4月の日米首脳会談で、慰安婦問題について安倍首相がブッシュ大統領に謝罪したとされる件でした。これは、同行取材中の私にも、全く