終戦の約半年前、1944年12月に発生した大地震がありました。しかし、この地震は当時ほとんど報道されず、“隠された地震”とも呼ばれています。なぜ隠されたのか。当時を知る人たちを探して取材しました。 学校でも話題にならなかった「大地震」 77年前に不思議な経験をしたという和歌山県新宮市の85歳の男性を記者が訪ねました。当時8歳だった田中弘倫さん(85)は、自宅で大きな地震に襲われたといいます。 (田中弘倫さん) 「1人で留守番していたら、急にガーと揺れ出して。水平線のところから真っ黒い波が来ているのがわかるわけです。水平線がギザギザになっている」 戦争末期の1944年12月7日に起きた地震は、その後「昭和 東南海地震」と呼ばれます。田中さんの家は無事でしたが、翌日に異様な空気を感じたと言います。 (田中弘倫さん) 「地震の話なんかほとんど聞いていないです。母親も何も言わなかった、その後のこと