承前*1 山崎正和氏の思想について興味深い記述を見つけたので、メモしておく; 真正の保守主義というのは西欧の近代主義と普遍思想を一義に前提する。山崎氏は西欧文明と近代社会を前提したうえにて、日本の社会的/文化的土壌を西欧の位相――ことに英米の位相から相対的かつ観照的に照射して示してきた。福田恒存、高坂正尭、山崎正和、ひいては塩野七生といったラインを、某や某のごとき鎖国的保守、言い換えるなら原理主義的保守と一緒くたにされてはたまったものではない。 たとえば、山崎正和と丸谷才一の一連の対談は名高いが、それ1冊でも目を通せばわかることじゃないか。丸谷才一の位置付けとか、非常に困難なわけです。まして岡野弘彦などは。文化的には歴たる意思的反動であるけれども、それが政治的な行動や言説へと移行することはなく、むしろ彼らはその種の政治主義的かつ行動主義的な動向と趨勢に対して常に棹差し批判的であり掣肘的であ