タグ

ブックマーク / pmazzarino.blog.fc2.com (10)

  • 陰謀論と詭弁の宴 東京都知事選雑感反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。多くの常識的な都民をうんざりさせた東京百鬼夜行のような都知事選から2週間。世間も落ち着きを取り戻してきたところで、振り返ってみました。 投票前に各戸に配られた選挙公報は、過去最多56人の候補者の主義主張が満載されたぶ厚いものでした。主張の9割はイカれたたわごとなので、すべて目を通すのが苦痛でしかありません。この候補者たちは都知事選を、陰謀論や差別思想を自由に発表できる闇の文化祭かなんかだと思ってるんでしょうか。 知事というのは、いうなれば都道府県の雇われ経営者みたいなものです。県政全体に目を配り、舵取りをする能力・資質が求められるので、自分の好き嫌いだけで物事を決めるような人がなってはいけません。都政とまったく関係ない個人的な主義主張を叫ばれても迷惑なだけ。 通常であれば、公言したらクソミソにけなされるような愚論や陰謀論を、政治的主張という大義名分を

    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2024/07/23
    選挙戦序盤の世論調査等でも無党派層の支持等で石丸氏が蓮舫氏を上回るものが出ていたので、投開票されるその時まで泡沫と思っていたのなら不勉強ないし無関心のそしりはまぬがれ難いような
  • 松本人志さんの罪についての考察と提案反社会学講座ブログ

    ●まつもtoジャニー こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 ジャニー喜多川さんは、いい人でした。多くの芸能人を育て、テレビ界に貢献した功労者であり、育てられた芸能人にとっては恩人です。 でも、ジャニーさんは犯罪者だったのです。 24時間、つねに犯罪者でいる人などいません。犯罪者としての顔は、個人が持つ多くの顔のうちのひとつにすぎないのです。犯罪をしてるとき以外は、何わぬ顔で暮らしてます。それはマジメな職業人の顔であったり、優しい父親・母親の顔だったり、情にあつい先輩の顔だったりします。 でも、そういう「いい人」が、犯罪者の顔も持ってたりするんです。 ジャニーズ問題から我々が学ばねばならないもっとも重要な教訓、それは、予断をもって犯罪告発の声を封じてはならない、ということです。 いい人は犯罪をするわけがない。社会的地位の高い人が犯罪者であるはずがない。無名の人間が犯罪を告発するのは売名

    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2024/01/29
    冤罪の害の捉え方がかなり独特な感じが。まぁこの方のことなので、釣りの可能性も高そうではあるか
  • 陰謀がバレたひとたちのドキュメンタリー反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。呉座勇一さんは『陰謀の日中世史』で、陰謀はほとんど成立しないといってます。陰謀に関わる人間の数が増えるにしたがって情報が流出する可能性も高まるので、陰謀は企んだとしてもたいていバレて失敗するものだと。 その実例が、なんとつい最近起きました。愛知県知事のリコール運動で署名が大量に偽造されたことがバレて、事務局長や関係者が逮捕されたのです。 みなさんすでにご存じとは思いますが、なんでみんなもっと喜ばないのですか? 興奮しないのですか? われわれは、違法な手段で政治を変えようと画策した陰謀がバレて失敗した実例をこの目で見られる幸運に恵まれたのですよ。貴重な歴史の瞬間に立ち会えたことを、もっと喜びましょうよ。 地上波のテレビドキュメンタリーは早朝・深夜に追いやられてしまったので、私は番組表でタイトルだけチェックして興味があるものは録画しておきます。 先日、

  • 池袋暴走事件と法の正義反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。池袋暴走事件の裁判がはじまり、被告が無罪を主張したことで、感情的に批判してるひとが多いようです。聞くところによると、テレビのワイドショーではコメンテーターがこぞってタコ殴り状態だそうです。 でも、ちょっと待ってほしい。みなさんの正義も暴走してます。 ホンネをいえば、私もあの被告に情状酌量の余地はないと思ってます。実刑判決でも全然かまわない。高齢だから事実上の終身刑になったとしても、同情はしません。 ただ、被告が裁判で無罪を主張することは、それとはまったく別問題です。法の正義、法手続き上の正義というものがあるのです。 日人は、裁判で無罪を主張すると「ふてぇ野郎だ!」「反省の色がない!」と感情的に批判しがちですが、被告が無罪を主張するところからはじめるのは、裁判の形式として妥当なやりかたです。まず、無罪であるという被告の主張から出発し、検察側が被告の主

    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2020/10/12
    法廷戦術としてどうなのくらいは思うが、被告がそう主張するなら弁護団もそれに沿うしかないわけで。あと後段の東京裁判における弁護側の対応についてもその通りだなと
  • 年賀状の意外な真実反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。NHKのニュースサイトに興味深い記事がありました。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181225/k10011759511000.html?utm_int=news-life_contents_list-items_006 年賀状を出すのをやめる年寄りが増えているというニュースなのですが、私が驚いたのはそのことではありません。この記事の最後に出ている年賀はがき発行枚数のグラフのほうなんです。興味のあるかたは、とりあえず記事を見ていただけますか。 見ました? 平成15年をピークに、SNSなどの普及によって年賀はがきの発行枚数は減少し、昨年はピーク時の3分の2にまで落ち込んだというのですが、いや、ちょっと待ってくださいよ。ネットもSNSもなかった昭和40年ごろは、さらに現在の3分の1程度しかないじゃないですか。 私の

    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2018/12/27
    「本来は、直接顔を合わせて年始のあいさつをすべきところを、年賀状で済ませるようになった時点ですでに、コミュニケーションの簡素化、虚礼化だったのです」
  • 私と『新潮45』反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。アメリカトランプは、他人の悪口をいうのを日課にしてるくせに、自分が批判されて議論に負けそうになると「魔女狩りだぁ~」と被害者ぶるのを得意技としています。 日では、議論に負けそうな連中が「言論弾圧だぁ~」と泣きごとをいうのが常套手段になってるようです。「沖縄の新聞潰せ」「朝日新聞死ね」などと汚い罵り言葉を吐き出しているのと同じ口から、「新潮45休刊は言論弾圧だ」なんてアカデミックな言葉が突然出てくるんだから驚いちゃいます。ケツの穴からクラシック音楽が聞こえてきたようなもんです。 いちおう私も以前『新潮45』に連載してましたから、広い意味では関係者のひとりといえます。まったくの部外者よりは有意義な指摘ができるはずなので、この機会に思うところを書かせてもらいます。 『新潮45』休刊の理由は長年にわたる部数低迷という会社側の説明は、ホンネだと思いますよ。

  • ジャズファン目線からの日野事件反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。しつこいようですが、日野さんの暴行事件について、ここ数日ずっと考えてました。情緒ウィルスに冒された人々が歪んだ論理をばらまくことを、私は許せないので。事件そのものも不愉快ですが、世間の反応がもっと気持ち悪い。なんとかこの得体のしれない気持ち悪さの正体を暴きたい。私は思考をあきらめません。 今回は、ジャズファンとしての目線から、事件質と世間の反応の気持ち悪さについて考えました。 題の前に、松人志さんがテレビで、体罰はむかしは当たり前だったのに、いまはなぜありえないのかわからないといったことにお答えします。松さんは誤解してますが、むかしもいまも体罰は違法です。むかしは順法意識が薄い人が多かったので、平気でルールを破っていたというだけのこと。 明治以降、日の法律で体罰が認められたことは一度もありません。法治国家では原則的にすべての暴力は違法とさ

    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2017/09/12
    「事件の関係者でもっともジャズの精神をわかっているのは、あのドラム少年だという点です」 かもなぁ
  • 犯罪不安を煽るのは、どのメディアか 反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 前回のブログ記事「都合よくデータを切り取って人々を不安に陥れよう!」の補足情報。 主要な新聞を確認してみたところ、興味深い事実が判明しました。 たまたまこどもの誘拐事件の件数が少なかった平成20年と比較するトリックで、誘拐が増加していると不安をおおげさに煽る報道をしていたのは産経と読売でした。 朝日は、平成16年の141件から減少傾向と、データをきちんと見て冷静に事実を報じてます。早くも誤報反省の効果が出たのかな? 今回、もっとも称賛したいのは毎日です。誘拐の件数が減少しているというだけでなく、さらに数字の背景まで踏み込んで調べていたのです。 平成16年に摘発された100人の誘拐容疑者の7割は、被害者であるこどもと面識のない他人でした。しかし平成25年の摘発者75人のうち他人は31人。半数以上は、離婚した親など、こどもの親族・知り合いだったことまで

  • 銀ブラに関するガセネタが広まっています反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 先日、朝ドラ『花子とアン』の劇中で、「銀ブラ」という言葉は、銀座をぶらつくことでなく、銀座でブラジルコーヒーを飲むことだという俗説を紹介してました。 すぐ真に受けた人がたくさんいるようですが、これ、まったくのデタラメですからね。銀ブラは、銀座をぶらつくこと、ぶらぶらすることの略なんです。こちらが正解。 これはいいネタになるかなと思って調べたら、なんだ、すでに星田宏司さんと岡秀徳さんが『「銀ブラ」の語源を正す』というで完全に検証済みだったんですね。読んでみると、ブラジル説を否定するほぼすべての証拠史料が網羅されてます。 ブラジルコーヒー説の発信源まで突き止めているのですから、もう、これに反論することは不可能でしょう。 ブラジルコーヒー説は、2008年に出版された『日で最初の喫茶店「ブラジル移民の父」がはじめたカフェーパウリスタ物語』というのな

  • ひさびさに、本のおすすめ反社会学講座ブログ

    こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。最近の悩みは、缶コーヒーの種類が多すぎて選べないことです。 Web春秋での読書ガイド連載が終わり、『ザ・世のなか力』としてまとめて単行化されてからすいぶんと経ちました。先日、おもしろいを読みましたので、しばらくぶりで紹介したいと思います。 岡檀さんの『生き心地の良い町』(講談社)。 変わったお名前のかたですが、おかまゆみさんと読むそうです。檀蜜のパチモンとかそういうイロモノ系の人ではありません。 自殺率がとても低いことで知られる徳島県の海部町。全国ランキングだと8位ですが、上位七位はすべて島なので、土だけならトップです。 その町の自殺率がなぜ低いのかを、長年にわたって研究した成果をまとめたなんです。その分析結果は、世間の通説を覆すものになっています。理想のコミュニティとはいったいなんなのだろうと、考えさせられます。 この町が海沿いの平地にある

  • 1