竹島を考える 69 下條正男 (拓殖大名誉教授) 国家主権より「裏金」の危険 中国海警局艦艇による尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域での接続水域侵入は、150日を超えた。だがその間、日本の与野党の国会議員たちの関心は、自民党のパーティー券問題に端を発七だ政治資金規正法の改正に向かい、国家主権が侵され続けているという現実からは目をそらしてきた。彼らにとっては、国家主権よりも政権の奪取と死守が優先されるからだろう。 その最中、韓国の総選挙では与党「国民の力」が惨敗した。日本に融和的な外交姿勢を示す尹錫悦氏が大統領に就任し、日韓関係にも改善の兆しが見えていたが、日本はせっかく訪れていた外交チャンスを逃してしまった。 ◆対日カード再び 韓国では総選挙の直後、野党「共に民主党」の議員ら17人が大挙して竹島(島根県隠岐の島町)に上陸すると、続いて文在寅政権時代の法相、曹国氏も竹島に上陸し、尹政権を「親日