マラカイトグリーン マラカイトグリーンとは、発がん性が指摘されている「猛毒」だ。その毒性ゆえ、2002年に中国国内向けの養殖にすら禁じられていたにもかかわらず、過密・大量飼育による病気の蔓延を防ぐために公然と使用されていた。これをきっかけに中国産ウナギへの不信感は瞬く間に日本全土へと広まり、輸入時の検査も厳格化された。だが当然のように、その後も違反は後を絶たない。取材を行った2013年2月にもさいたま市で販売されていた中国産ウナギからマラカイトグリーンが検出されていた。一方で中国産ウナギは我々の口に入り続けているのだ。 「マラカイトグリーンを使って、簡単に死なない強いウナギが欲しいんだろ」 私が向かったのは中国の養鰻(ウナギの養殖)業の中心地、広東省。中国4大都市のひとつ、深セン市の中心部から車で約2時間、広東省鰻業協会のある佛山市順徳区に到着した。まずは養殖用の薬剤を売っているという店に