スコット・サムナー(Scott Sumner)が、National Affairsの記事の中で、「不換紙幣を発行している中央銀行(a fiat-money central bank)がインフレ率を高める、すなわち、『通貨の質を下げる』(to raise the rate of inflation - that is, to “debase the currency”)ことができないわけはない」と書いているのを読んで、どこで理解が違ってきているのかが分かった気がしたので、記しておきたい。 現存する国債について、将来返済されることが確実に見込まれており、その価値は確かなものだと信認されているとしよう。このとき、中央銀行が国債をどんどん買い上げて、その代金として銀行券(不換紙幣)を供給したとしても、銀行券の通貨としての質が下がるわけではない(debaseにはならない)。なぜならば、発行された銀行
![財政インフレはあり得る理由](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5ca3e12d98a36e5b182766185b63cd33c26a509a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fagora-web.jp%2Fcms%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F07%2Fagora-twitter.jpg)