核開発の縮小を求める米欧などとの協議が山場を迎えているイランで、紙幣に印刷されていた原子力を象徴するマークが消えることになった。核開発を長年「国是」としてきたイランが、今月末に迎える協議の期限を前に、国威発揚の看板を自ら下ろした格好だ。国内の強硬派からは「核開発を否定するのか」「国辱だ」と批判が起きている。 この紙幣は、2007年に発行が始まった5万リアル札(実勢レートで約175円)。イランの地図上に原子核を中心に回る電子の軌道が描かれている。イラン中央銀行によると、新しい5万リアル札にはテヘラン大学の正門があしらわれ、原子核のマークは消えた。イランが新年を迎える3月20日以降に流通を始める。 同行は「テヘラン大の開学80周年を記念した」とするが、デザインを変えるのは額面別に7種類ある紙幣のうち5万リアル札のみで、異例の措置。穏健派のロハニ大統領を批判する強硬派の国会議員らは、「核開発をや