三井住友トラスト・ホールディングス(TH)やみずほフィナシャルグループ(FG)などが出資する資産管理信託銀行、日本カストディ銀行は9日、元取締役による不正行為が同行の社内調査で判明したと発表した。複数の関係者によると、元取締役は三井住友信託銀行出身の田中嘉一元社長。顧客の資産を預かる資産管理信託銀行でトップ自らが不正に手を染めていたことになる。 田中氏は、三井住友信託銀行出身で、同行専務から2018年に日本カストディ銀の前身である日本トラスティ・サービス信託銀行社長に就任。21年に日本カストディ銀社長に就いた。複数の三井住友信託関係者によると、システム畑が長く、専門性が評価されていた。昨年12月末に任期満了で退任したという。 同行の発表によると、不正行為の疑いが出たことから、外部の弁護士を中心とする調査委員会を今年1月に設置した。資料分析や関係者へのヒアリングなどの結果、同行が外部に委託す