シタデルの創業者ケン・グリフィン氏(55)は、米金融当局が時期尚早な利下げに踏み切れば、信頼を損なう恐れがあるとの考えを示した。 グリフィン氏はシタデルがマイアミで初開催したグローバル・マクロ会議でインタビューに応じ、「米金融当局はインフレという魔人を瓶に戻すというメッセージを持つ必要がある」と発言。「あまりに性急に利下げすれば、2%のインフレ目標を達成するというコミットメントに関して信頼を失いかねない」と続けた。
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PE投資会社、中国からの撤退に苦慮-投資リスク巡る懸念が足かせ Cathy Chan、Preeti Singh 20年の間に中国で1兆5000億ドル(約227兆6000億円)余りの資産を築いたプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社は今では、大幅な投資リターンが見込めたかつての有望資産の売却に苦戦している。 公開市場が低迷し、魅力的なバリュエーションが提供されない中、バイアウト企業は非公開での売却を模索。しかし、中国本土への投資リスクを巡る懸念の高まりで、いわゆるセカンダリーバイヤーは30%から60%強のディスカウントを求めていると、中国市場に詳しい複数の関係者が語った。欧州や米国では、ヘアカット(減免)は15%近辺にとどまる。 十数人程度のPE投資家やアドバイザーへのインタビューによると、多くの企業はさらに数年にわたって保有資産を引き継ぐいわゆる継続ファンドを設立し、売却を先送
ダドリー前ニューヨーク連銀総裁が米国の財政状況は「持続不可能な軌道」にあると警鐘を鳴らした。債務コストが膨らむ中で危機を解決する政治的意思が欠如していると指摘した。 プリンストン大学経済政策研究センターの上級研究員を務めるダドリー氏は、シドニーで開催された会議でビデオ通話を通じて「状況はさらに悪化する。過去15年に比べはるかに高い金利によって米政府債務がリプライスされるからだ」と語った。 同氏はまた、ベビーブーマー世代が引退し、医療費や社会保障費が膨らむことで、財政見通しがさらに悪化するとも予想。 その上で、「最後の問題は政治だ。物事を成し遂げるという点で、今の米国にはよく機能する政府がない」とし、「われわれは確実に持続不可能な軌道に乗っている」と述べた。 世界市場のセンチメントは、米政府の財政と新規債務の必要性に対する継続的な懸念によって損なわれている。先週の米30年国債入札は過去10年
Michael Barr, vice chair for supervision at the US Federal Reserve, speaks at the National Fair Housing Alliance national conference in Washington, DC. Photographer: Al Drago/Bloomberg 米連邦準備制度理事会(FRB)のバー副議長(銀行監督担当)は7日、暗号資産(仮想通貨)のステーブルコインを規制しなければ米国の金融システムを不安定化させるリスクがあるとの認識を示した。 同副議長は「FRBがウォレットを含むステーブルコイン発行体を認可・規制・法執行できるよう確実にする強力な連邦のステーブルコイン規制に関心がある」とDCフィンテック・ウィークのイベントで語った。 ドルのような資産にペッグ(連動)された民間セクター
Japanese 10,000 yen, left, and U.S. 100 dollar banknotes are arranged for a photograph in Tokyo, Japan Photographer: Tomohiro Ohsumi 過去10年余り低迷するリターンと閉鎖の危機におびえていた為替ファンドが今年、息を吹き返している。 世界の中央銀行が異なる足取りで積極的な金融政策を進めており、各国・地域の金利差を狙って利益を上げようとするトレーダーに格好の機会を提供しているためだ。 バークレイヘッジがまとめたデータによると、主要10カ国・地域の中銀による政策金利の乖離(かいり)は2008年以来の水準まで拡大しており、為替専門ファンドは今年、7%程度のリターンをたたき出す見通しだ。これは過去20年の平均の倍以上の水準だ。 為替専門運用会社エイドリアン・リー・アンド
ジェファーソン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は8日、経済見通しに強い不確実性がある場合であっても、インフレ期待が上昇し始めれば金融当局として強力に対応する必要があるとの考えを示唆した。 ジェファーソン副議長はFRBの調査統計(R&S)部門創設100周年を祝う会議の締めくくりで発言した。金利・経済見通しへの言及はなかった。 副議長はその中で、高度の不確実性の下で行動の不足がその行き過ぎよりも高コストとなるケースが二つあるとし、「金融危機のような深刻な有害事象を避けようとする場合」と、「インフレ期待が不安定化する恐れがある場合」を挙げた。 このうち前者では、「『慎重な措置を講じる』といった表現よりも『必要ならば何でもする』といった表現の方が一層効果的である公算が大きい」と指摘。後者の事例で弱めの金融政策対応が予想されたり、実際の対応が力強さを欠いたりすれば、「問題悪化につながる」と説明し
Masayoshi Son, chairman and chief executive officer of SoftBank Group Corp. Photographer: Toru Hanai/Bloomberg ソフトバンクグループによる米ウィーワークへの投資は、ウィーワークの破産申請という結果に終わった。グループ創業者の孫正義氏にとってウィーワークと関わった数年間は、同氏の投資スタイルに衝撃的な欠陥があることを明るみに出し、被った損失以上のダメージを同氏の評判に与えるものとなった。 孫氏は部下の反対を押し切り、ソフトバンクGとビジョン・ファンドの両方からウィーワークの創業者アダム・ニューマン氏に巨額を投資。ウィーワークの評価額を2019年前半の時点で470億ドル(約7兆800億円)と、天文学的な数字にまで押し上げた。そのわずか数カ月後、ウィーワークの新規株式公開(IPO)申請書
自然災害の発生リスクなどを引き受けるCAT債(大災害債券)の市場は、今年最もパフォーマンスの良い債券区分の一つだ。主要発行体の世界銀行が発行拡大の準備を進める中で、販売額も大幅に増えようとしている。 世界銀行は今後5年間で、いわゆるCAT債の発行残高を現在の10億ドル(約1500億円)から50億ドルに増やす計画だ。総額約400億ドル規模の市場に対して大幅な増額となる。 「野心的だが、現実的だ」。世界銀行の財務部門でマーケットソリューションズ・ストラクチャードファイナンスの責任者を務めるマイケル・ベネット氏はこう語った。 CAT債のリターンは事実上、他の全ての債券市場に勝っており、その人気は高まっている。今年、米国債の投資家が損失を被っている間に約17%上昇した。 途上国に資金援助を行う世界銀行は、CAT債がカバーする自然災害の範囲を拡大する計画だ。 「ハリケーンやパンデミック(世界的大流行
日本銀行の円買い介入が機能する可能性は低いと、ドイツ銀行の為替調査グローバルヘッド、ジョージ・サラベロス氏が指摘した。同氏は円を、新興国通貨で過去10年間のパフォーマンスが最も悪い2つの通貨と同列に置いた。 サラベロス氏は顧客向けリポートで、「利回りや対外収支といった円相場を動かしている要因を一見すると、円はトルコ・リラやアルゼンチン・ペソと同じ部類に属する」と指摘。「円を防衛する日本の介入は良くて無力、最悪の場合には状況を悪化させることになるだろう」と続けた。 国際的な投資家にとって、円は伝統的に安全資産としての地位を確立している。それを過去10年でドルに対して90%余り下落したリラとペソになぞらえるのは目を引く。円は世界で取引量が3番目に多い通貨であり、日本の経済規模は世界で4番目に大きい。 為替介入にスタンバイ、1ドル=151円台で「背景に投機」-財務官 (3) サラベロス氏は、日本
神田財務官は年初来25円、足元でも短期間に数円動いていることから「一方的で急激な動きを大きく懸念している。過度な変動にあらゆる手段を排除せずに適切な行動を取っていきたい」との姿勢を改めて示した。 急激な円安の背景については、内外金利差や地政学的リスクなどさまざまな要因がある中で、「一番大きいのは投機だ」と指摘。その上で、「総合的に勘案すると、ファンダメンタルズと合っていない。国民生活に対しての影響が大きいので適切な対応を取らなければならない」と述べた。 神田財務官は昨年9月22日に24年ぶりの円買い介入を実施した際にも直前に「スタンバイの状況」と発言していた。 1日朝の円相場はドルに対し151円台後半で推移。日本銀行が先月31日の金融政策決定会合で、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策を一段と柔軟化したものの、緩和姿勢を維持したため円安が進み、昨年10月に付けた対ドルでの
スイス国立銀行(中央銀行)は、市中銀行の預入資金に対して支払う利息を削減する。この措置により、金利費用を年6億フラン(約1000億円)節約できる見通しだという。 スイス中銀はマイナス0.75%だった政策金利を相次ぎ引き上げ、プラス1.75%とした。いわゆる要求払い預金の金利は政策金利に連動するため、利上げで同中銀の利払い額は膨らんでいた。 スイス中銀の30日発表によると、12月からは銀行が預け入れを義務づけられている最低準備金に対して、金利の支払いを停止する。計算方法も変更し、利払いが完全に得られる資金の額を減らす。この変更により金利費用は減少するが、金融政策には影響しないと、同中銀は説明した。 スイスではクレディ・スイスの破綻という衝撃があっただけに、中銀が銀行に過剰な支払いを行っているとの政治的な批判があるが、利払いの削減はこうした批判をかわす一助になる可能性がある。さらに同中銀は20
Ken Griffin, chief executive officer and founder of Citadel Advisors LLC, on Friday, Feb. 25, 2022. Photographer: Christopher Dilts/Bloomberg ヘッジファンド運営会社シタデルの創業者ケネス・グリフィン氏は、米国債の現物と先物との価格差を利用し、利益を目指す「ベーシス取引」を規制する動きについて、「私の理解を完全に超えている」と批判した。 グリフィン氏はニューヨークで25日に開かれた投資家会議で、ベーシス取引の戦略を採用するヘッジファンドなどは、流動性供給と米国債市場への効率的な資金提供に貢献し、納税者のコストを減らしていると主張した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。 ポール・チューダー・ジョーンズ氏とのやりとりで、米証券取引委員会(SEC)のゲ
米国債市場が「悪循環」に陥るリスク、FRBのQT戦略に注目集まる Michael Mackenzie、Liz Capo McCormick、Jonnelle Marte 米長期債が過去40年余りで最悪の売りを浴びたことで、最大の買い手だった連邦準備制度理事会(FRB)の不在にスポットライトが当たっている。 FRBは年間7200億ドル(約108兆円)のペースで国債のポートフォリオを縮小しており、2兆ドル近い連邦財政赤字を賄うという財務省の仕事をさらに難しくしている。量的引き締め(QT)として知られるFRBの同プログラムは、前回実施された時には当局者の想定よりも早期に終了したため、一部の市場参加者は今回も同じだと予想している。 一方でパウエルFRB議長ら米金融当局者は、長期債の利回り急上昇が利上げ継続の論拠を弱める可能性があるとこれまでに示唆しているが、QTに関してはそのような見解は示していな
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、インフレとの闘いはうまく行っているとの認識だが、財政規則に関する域内の合意がないことが問題になりつつあると考えている。事情に詳しい関係者が明らかにした。 ラガルド総裁は23日、欧州委員会、欧州理事会、ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)のトップとの電話会談で、ユーロ圏経済は今後数四半期にわたり停滞し、下振れのリスクに直面しているが、物価に対するリスクはバランスが取れてきていると述べたという。 インフレ対策の進展に自信を示す発言は、インフレ率が依然として「高水準」だと指摘した最近のコメントとは対照的だ。関係者によると、総裁は経済について、雇用は持ちこたえているものの軟化の兆しが見られていると語った。 ECB総裁、コアインフレ依然高い-上昇リスク残るとナーゲル氏 総裁は、中東やその他の問題を巡る欧州の分裂に、市場が即座に反応する傾向があると指摘。域内でも
イスラエル格付け見通しネガティブに引き下げ、戦争リスクで-S&P Maria Elena Vizcaino S&Pグローバル・レーティングはイスラエルの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げた。イスラム組織ハマスとの戦争が予想以上に広範囲に拡大し、同国経済により顕著な影響を与える可能性をリスクとして指摘した。従来は「安定的」としていた。 イスラエルの長期債格付けは4番目に高い「AA-」に据え置かれた。同国の格付けに関しては先週、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが引き下げ方向で見直すと発表したほか、フィッチ・レーティングスもネガティブウオッチに指定していた。両社はともにハマスとの紛争を理由に挙げた。 S&Pのアナリストらは「イスラエルとハマスの戦争は、われわれの予想よりも広範囲に拡大、あるいはイスラエルの信用指標によりネガティブな影響を及ぼす可能性がある」と指摘。「われわれは現時点で紛
欧州中央銀行(ECB)当局者は、金利を十分に引き上げたかを巡る検討に加え、それに関連する問題に直面している。金融政策をどうやって確実に機能させ続けるかという問題だ。 ラガルド総裁ら政策委員会メンバーは、ECBと銀行をつなぐ経路を改革しようとしている。15年前のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス破綻で非従来型の流動性供給措置が導入され、さらに量的緩和(QE)が始まった。 金融当局者は時計の針を戻して、かつての金融市場の仕組みを再現することはできない。だが、改革なしに現時点で総額5兆3000億ユーロ(約846兆円)に上る保有債券と長期融資を巻き戻せば、インフレ退治のため活用する金融政策メカニズムを最終的にゆがめてしまう恐れがある。 他の中央銀行がとった措置は何らかのヒントにはなるが、定型の単純な解決策はない。従って、ECB当局者は金融政策の枠組みを全体として機能させる方法について、熟慮を迫
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