「匿名でいる」ということは、小飼さんが仰るのとは異なる意味で「特権」的です。 ネット空間での活動の成果が現実社会に反映することをたいした「メリット」ではないと感じられること自体、とても希有な環境です。「現実社会で自分のおかれた環境に満足していて、それを変えていく必要を感じていない」人々以外は、現実空間と仮想空間とで別々の活動を、互いに有機的結合を果たすことなく行わなければならないというのは時間とエネルギーの無駄です。ここでいう「現実社会への反映」というのは、自分自身の「立身出世」ということだけでなく、現実社会を自分にとってよりよいものに変えていく、あるいは、自分にとって好ましくない方向に変わっていくことを食い止めるということまで含みます。 また、ネット上で情報発信をするときに実名を明示しなければその実名を不特定人に知られずに済むかといえば、そういうこともありません。現実社会でそれなりに活躍