この半世紀近くの間に日本人は睡眠を減らしてまでも何をやりたかったのであろうか。この問に答えるために、社会生活基本調査(総務庁統計局)の生活時間統計における各生活行動時間の変化をグラフにした。結論からいえば、実は、出歩いて自由時間を謳歌したかったのだ。 2020~21年はコロナ禍にあって日本人の生活は大きく変容した。従って2021年の調査結果はこれまでの趨勢とはかなり異なるものとなっている。このことから、これまでの趨勢に反する動きこそがコロナ禍の影響とみなすことが可能である。 以下では、2016年までの長期トレンドについてコメントし、最後に、2011~16年の動きに続いて、コロナ禍の影響があらわれた2016~21年の変化の特徴についてまとめよう。 時系列変化は男女有業者ベースで追っている。学生・無業者を含んだ国民全体ベースで変化を追うと、有業率(労働力率)の変化や年齢構成の変化による生活時間