参院選の遊説中に銃撃され、亡くなった安倍晋三元首相の国葬が27日、日本武道館(東京都千代田区)で営まれた。戦後の首相経験者では1967年の吉田茂元首相以来2例目となった今回の国葬の評価について、石埼学龍谷大教授(憲法学)に聞いた。【聞き手・加藤明子】 ――国葬はどう映ったか。 ◆安倍氏の生前の姿が国葬の会場で上映されると知り、その内容が政治的な宣伝をしようとするものであればよくないと思ったが、安倍氏を過剰にほめたたえるわけでもなく、穏当な内容だった。岸田文雄首相の追悼の辞を含め、国葬を政治利用しようという意図は全く感じられなかった。全体を通して宗教性もなく、憲法学者として何も問題を感じなかった。 ――国葬実施には「法的根拠がない」「国会の関与が必要だった」などと批判が相次いだ。 ◆今回の国葬は国民の権利を制限したり、国民に義務を課したりするものではない。そのため、国会が制定した法律の根拠が