ちまたに桜前線北上の話題が上るころになると、キノコ採りの虫がウズウズと騒ぎ出す。 アミガサタケの季節が始まるからだ。 アミガサタケは奇異な形と、キノコは秋のものという固定観念のためか、日本ではほとんど食べられてこなかった。しかし海外では、特にヨーロッパでフレンチやイタリアンの美味で香り高い高級食材として珍重され、フランス語ではモレル、イタリア語でモルケッタ、英語ではモリーユと呼ばれて愛されてきた。 日本でも、近年のきのこブームのためか、徐々に知られるようになり、最近では季節はずれの春のキノコ採りを楽しむ人も増えているようだ。 早春、真っ先に登場するのは、トガリアミガサタケだ。サクラが咲く少し前から出初め、サクラが散るころまで発生する。 トガリアミガサタケのシーズンが終わると、入れ替わりにアミガサタケが出始め、5月の連休の辺りまで発生が続く。 トガリアミガサタケ(食べられるキノコ) 学名:M