◇イスラエルの爆撃は領土を譲らないとのメッセージ ◇主要援助国の「共謀」を批判「まず占領を終わらせること」 イスラエルの占領地経済、とりわけガザの研究で知られるハーバード大中東研究所上級研究員、サラ・ロイさん(54)がこのほど、左京区の京都大で講演した。京都大大学院人間・環境学研究科の岡真理研究室が主催し、約150人が参加。恒常化した占領がパレスチナ社会を弱体化させた経緯や実態について聴き、考えた。【太田裕之】 ロイさんはまず、昨年末からのガザ爆撃を議論する前に、イスラエルによるパレスチナ(ヨルダン川西岸とガザ地区)占領の歴史的文脈を理解する必要性を強調。1967年の第3次中東戦争での占領開始から経済的にも依存させ、93年のパレスチナ暫定自治合意(オスロ合意)を経ても維持・強化されてきたと指摘した。 西岸ではパレスチナ人の所有資産を押収してイスラエル人の入植地を拡大し、分離障壁を建設した経