耐震補強工事が終了したチェルノブイリ原発の「石棺」=ウクライナ、小宮路勝撮影 ウクライナ非常事態省の調査団に同行して、チェルノブイリ原発を訪れた。史上最悪の原発事故を引き起こした4号炉では、炉を覆う「石棺」の新たな補強工事が終了。ただ、国際協力による放射線遮蔽(しゃへい)ドームは建設予定が遅れ、周囲では依然、強い放射線が観測された。 約300メートル手前から眺めた原発は、4号炉をすっぽりと覆う「石棺」と呼ばれるコンクリートのパネルの周囲に、真新しい黄色の鉄骨が組まれていた。 老朽化が進んですき間が拡大した石棺が崩壊し、放射性物質が周囲に飛散するのを防ぐため、ウクライナとロシアが共同で実施した振動防止の補強工事という。04年に作業が始まり、昨年完成した。「大惨事の可能性もゼロになった。今後15年は心配ない」と広報担当のスタニスラス・シャクステロ氏は胸を張った。 現在、日本を含む各国の