<以前から不正の認識があったはずなのに、なぜもっと早く止められなかったのか。不正を働く企業には共通する心理的な要因がある> 今年になって発覚した日本郵政グループの「かんぽ生命保険の不正販売」の問題は、なぜもっと早く止められなかったのか。昨年世間を騒がせた「スルガ銀行の不正融資」の問題は、なぜもっと早く誰かがやめようと言い出さなかったのか。 これら不正を働く企業には共通する心理的な要因がある。それが「責任の分散」だ。一体どういう意味なのか。 「責任の分散」は企業の盛衰を分けるキーワード 不祥事を起こし、それを止められず、企業を衰退させるのも人。逆に、顧客満足を増幅させ、企業を繁栄させるのも人である。経営層から現場社員まで、そこで働く人の心理状態に注目する必要がある。 「責任の分散」を理解してもらうために、心理学の「傍観者効果」から説明しよう。 「傍観者効果」とは、社会心理学の用語で集団心理の
![かんぽ生命不正販売、3人謝罪会見が象徴する「責任の分散」という要因](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/939fb0aabda4da83ff6fc3b76a5ff29de3eb9c21/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fmatsuoka%2Fassets_c%2F2019%2F08%2Fmatsuoka190823kampo-top-thumb-720x492-166565.jpg)