天王洲ふれあい橋は、20世紀の後半に作られた珍しいピントラス橋です。ピントラストは、部材をピンで接合された構造のトラス橋です。 KADOTAさんから提供していただいた写真にピンによる接合部が写っています。ピンで部材を接合することはトラスにとっては本質的な意味を持っています。回転自在になるように部材をつなげることによって部材に曲げの力がかからないようになります。部材には引張りか圧縮の力しかかからないようになり、少ない部材を使ったシンプルで丈夫な構造になります。 19世紀半ばにトラス橋が考案されて、1870年代から盛んにトラス橋が建造されるようになりました。当初はトラスの理論に従ってピン接合の橋として作られていきました。しかし、次第に接合部はガゼットプレートという鉄板に何本かのボルトでつなぐ剛接合の橋が多くなり、1930年あたりから以降はピン接合の橋はほとんど作られなくなりました。なぜかという