平成17年に『食育基本法』が施行され、国民の心身の健康を支援するために「食育運動」が推進されることになった。子どもの頃からの食習慣が重要であるとされ、保育所や学校、家庭を中心に食育を進めるというものだ。 特に義務教育では、食育推進の中核的な役割を行う職種である栄養教諭という新たな資格が創設され、栄養士・管理栄養士が直接子どもに対して食育授業(担任との連携が必要)やアレルギーを持つ児童・生徒に対する食事指導などを行えるようになった。 しかし、現実に行われている子どもの食育の内容を見ると、全国的に統一されておらず、まったく根拠のない情報や、特定の主義主張に偏った情報が紛れ込んでいる。 このように「食育」が迷走してしまったのは、なぜだろうか? まずは、食育基本法の条文を見てみよう。 前文では、食育により身に付けるべき能力として『「食」に関して信頼できる情報に基づく適切な判断を行う能力』を挙げ、家