高校の国語の教科書に、ピーナッツの作者の話が載っていた。 その文章がどんなだったかはもうほとんど覚えていないけれど、挿絵として載っていた漫画でチャーリーブラウンが言っていたことは今でもふとしたときに思い出す。 大雑把にまとめると、「安心」とは車の後部座席で眠れる状況のことで、そしてそれはある日突然、永遠に失われる、みたいな内容だった。 私は昔から車に乗ればすぐ眠れる性質だったので、これを読んだ当時はなるほどなぁとすごく共感した。 家族で遠出した際、一人っ子だったために独占状態だった後部座席で横になり、夜のラジオを聴きながらブランケットにくるまってうとうとする時間が大好きだった。 でも、高校生の私も、横になれこそしないもののまだまだ車内では眠らせてもらえる存在で、それが「永遠」に失われるとはどういうことなのか、実感としては分かっていなかったのだと思う。 免許を取って数年は、まだ両親の運転する