自民党は17日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正案を衆院に単独で提出した。焦点の一つである政策活動費の使途公開は項目単位にとどまるなど、支出の実態が見えない「ブラックボックス」は相変わらず。連立与党の公明党ですら共同提出を拒む異例の状況で、野党は「検討対象にも値しない」と一斉に批判。衆院の政治改革特別委員会で22日に審議入りするが、自民と他党の隔たりは大きく、協議の難航は避けられそうにない。(井上峻輔)
外国人技能実習生の労働問題をボランティアで支援してきたNPO法人「POSSE(ポッセ)」の若者たちが25日、「技能実習制度廃止プロジェクト」を発足させたと発表した。代表の田所真理子ジェイさん(25)は記者会見で「実習生は現代版の奴隷だ」と強調。労働相談を通じて集めた過酷な実態を広く社会に向けて発信することで、2年以内の廃止を目指す。 技能実習は本来、外国人が日本で技術を学んで母国で役立ててもらう制度だが、実態は劣悪な低賃金労働の温床だとして、米国など国際社会から「外国人搾取」と批判されている。実習生の多くは強制的に帰国させられることにおびえ、低賃金やパワハラといった問題があっても声を上げられない構造的な問題がある。 プロジェクトを始めるきっかけは2020年。ポッセの若者たちが、強制的に帰国させられたカンボジア人元実習生の支援に携わり、制度の問題点を知ったことだった。実習生からの相談はほ
衆院選比例代表の投票用紙に書く政党名を巡り、立憲民主、国民民主両党の略称が「民主党」で重複する異例の事態になっている。期日前投票を済ませた読者からは、混乱を招くと疑問や戸惑いの声が相次いで寄せられた。「民主」とだけ書くと無効になる可能性もある。投票日の31日に向け、両党は正式な党名を書くよう呼び掛けている。 「『民主党』と書いてしまった。立民と国民のどちらの得票になるのでしょうか」「『民主党』が2つ。なぜこんなことになったのか」。本紙には期日前投票が始まって以降、読者から連日のように問い合わせが来ている。
新型コロナウイルスに感染した可能性を通知する政府の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」は導入から1年で、陽性を申告して利用した人が陽性者全体のわずか2%にとどまっていることが分かった。陽性の申告が任意であることに加え、相次ぐ不具合で個人情報保護などへの信頼を失っていることが要因。東京五輪・パラリンピックでは選手らに利用を求めるが、多言語への対応も遅れ、感染拡大防止の機能を十分に発揮できない恐れがある。(後藤孝好) 厚生労働省によると、スマートフォンへのココアのダウンロード実績は昨年6月の導入以来、約2834万件で、日本の人口の2割強。これに対し、6月18日時点でココアへの陽性の申告の登録は1万8105件で、約78万人の国内累計感染者数の2%にすぎない。 ココアは陽性者との接触を4カ月間も通知できていなかった問題が見逃されるなど、当初から不具合が後を絶たず、利用に不安を抱えてきた。厚労省の
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が、ボランティアの愛称を応募者の投票で最終決定する方向で検討していることが13日、関係者への取材で分かった。専門家や有識者による提案、絞り込みを経て3案程度を提示し最多得票案を採用する見通し。参加意識と一体感を高める狙いがあり、年内の決定、発表を目指す。 12年ロンドン大会で「ゲームズメーカー」、18年平昌大会では「パッションクルー」と呼ばれた。東京大会では、選考の透明性や納得感を重視して愛称を決める。組織委は「自分たちで決めていただき、誇りを持って『ボランティアです』と言ってもらうことが大事」と語った。
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